2001 Fiscal Year Annual Research Report
イチゴマイルドイエローエッジポテックスウイルスの増殖、伝搬機構の解明
Project/Area Number |
13660041
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
畑谷 達児 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (20241367)
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Keywords | イチゴ / マイルドイエローエッジ病 / ポテックスウイルス / 細胞間移行タンパク質 / 非AUG翻訳開始 |
Research Abstract |
イチゴマイルドイエローエッジ病の病原ポテックスウイルス(SMYEPV)は他のポテックスウイルスとは異なり、師部伴細胞に局在する。この性質には、ポテックスウイルスの細胞間移行に関与するトリプル・ジーン・ブロック(TGB)タンパク質の1つであるORF2タンパク質の発現が関係していることが考えられた。そこでまず、未解析である本邦産SMYEPV分離株ゲノムのTGB領域約2.3kヌクレオチドのcDNAをクローニングし、その塩基配列を解析した。その結果、解析した9つのcDNAクローンは5:4と塩基配列が異なる2種類(A型、B型)に分かれたことから、本邦産SMYEPV分離株はヘテロな集団であることが明らかとなった。A型、B型ともに、ORF2に相当する領域には翻訳開始コドンAUGが認められず、SMYEPVゲノムのORF2の発現は、非AUGコドンにより翻訳開始される可能性が強く示唆された。外国産SMYEPV分離株ゲノムの塩基配列解析から、ORF2の翻訳開始コドンの候補として、CUGとAUUの2つが挙げられている。しかし、後者は本邦産SMYEPV分離株ゲノムでは保存されておらず、A型、B型ともにAUCであった。一方CUGは本邦産SMYEPV分離株ゲノムのA型、B型ともに保存されていた。このことからCUGコドンでの翻訳開始の可能性が示唆された。 またB型ゲノムのORF4では途中で翻訳終止コドンが出現し、コードされるタンパク質が、A型ゲノムのORF4タンパク質に比べるとC末端7アミノ酸が欠失(トランケート)している。ORF4もTGBの1つであることから、この新たに見つかったトランケートORF4タンパク質がSMYEPVの師部局在性に関与している可能性も考えられ、今後はORF2発現とともにSMYEPVの師部局在性との関係について検証する。
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