2002 Fiscal Year Annual Research Report
Mild Pathogenic Bacteria:植物への病原性と親和性
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13660045
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
瀧川 雄一 静岡大学, 農学部, 助教授 (90163344)
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Keywords | Burkholderia cepacia / Herbaspirillum / Pseudomonas fuscovaginae / hrp遺伝子 / hrc遺伝子 / 植物病原細菌 |
Research Abstract |
以下3種類の植物病原Mild Pathogenic Bacteriaについて検討を加えた。 1.Burkholderia cepaciaについて 昨年度に引き続き菌株の収集と病原性遺伝子の探索および遺伝子レベルでの系統解析を中心に研究を行った。B.cepaciaは菌株数を増やすと従来のgenomovar I, IIIには合致しない例が出てくること、rec遺伝子ののPCR-RFLPでは従来の記載のないパターンがあること、hrp遺伝子の分布も例外があることを明らかにした。また接種による植物に対する病原性や抗菌活性等も菌株間差が大きく、遺伝子による系統分化とは一致しないことを明らかにした。このことは、本菌の植物に対する病原性がhrp遺伝子などにはよらない従来に無いタイプの遺伝的要素によって決定されていることを示しており本研究当初の予想が裏付けられた。 2.Pseudomonas fuscovaginaeについて 昨年度までの研究で本菌にはhrp遺伝子が存在しないのにタバコに過敏感反応を起こすことがわかっていたが、本菌がジャガイモ腐敗能を有することから、ペクチン分解酵素がタバコに反応を起こすことを予想してジャガイモ腐敗部水溶液をフィルターで濾過したろ液をタバコに与えたところ、過敏感反応様の反応がでることを明らかにした。しかし、透析膜を通した残存の分子量10,000ダルトン以上の分画に活性が見られたため、高分子物質が反応に関与している可能性も示された。この分画には電子顕微鏡観察で細菌の鞭毛が多数観察されたため、鞭毛が主因の可能性も考えられた。今後これらの因子の関与を証明するため、遺伝子ライブラリーを作成中であり、現在2000個以上のクローンを得ている。 3.Herbaspirillum sp.について Herbaspirillum属細菌は共生、腐生性のものが多く、植物病原性は弱い。しかし、イチゴ斑点細菌病より分離した菌株はタバコに過敏感反応を示す。そこで、数種Herbaspirillum属細菌においてhrp遺伝子の存在をサザンハイブリダイゼーションによって調べたところ、シグナルが検出され、菌種によってサイズが異なった。さらに、イチゴ株より遺伝子ライブラリーを作成し、約2000個のクローンを得た。このクローンの中からハイブリによりシグナルを有するクローンを探し当てることに成功した。さらにサブクローン化を行い一部シークエンスを求めることに成功した。その結果、hrcV, hrcNの2つ相同領域が存在すること、それらがHerbaspirillumの属するβ-Proteobacteriaのものよりむしろγ-Proteobacteriaに類似度が高いことが明かとなり、遺伝子の水平移動が強く示唆されるなど、極めて興味深い知見が得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 外川直子, 瀧川雄一: "Burkholderia cepaciaとB. glumaeにおけるhrp遺伝子領域の比較"日本植物病理学会報. 68. 247-248 (2002)
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[Publications] 林田美由貴: "芝草類に葉鞘腐敗病を起こすPseudomonas fusucovaginaeについて"日本植物病理学会報. 68. 256 (2002)
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[Publications] Takikawa et al.: "Herbaspirillum sp. causing brown spot on strawberry leaves"8th International Congress of Plant Pathology, Abstracts of Offered Papers(ISBN 086476 151-1). 15 (2003)