2002 Fiscal Year Annual Research Report
肥効調節型コーティング肥料の残留被膜生分解に関与する土壌微生物群の動態
Project/Area Number |
13660069
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
境 雅夫 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (20225775)
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Keywords | コーティング肥料 / 長鎖n-アルカン資化細菌 |
Research Abstract |
近年,追肥作業の省力化や肥料による環境汚染の軽減が可能な資材として被覆肥料の利用が進んでいる。しかし,肥料成分溶出後に農地へ残留する被膜が問題視され,その解決が課題となっている。 本研究では,光分解性ポリエチレン分解産物の土壌微生物による分解を明らかにするために,畑土壌での生分解性を試験し,さらにn-alkaneを用いて,分解に関与する細菌群集構造や,分離菌株の分解遺伝子の解析を行った。 (1)光分解性ポリエチレンの生分解性 光分解性ポリエチレンの土壌微生物による分解を見るため,BOD(Biochemical Oxygen Demand)法を用いた。その結果,光分解産物ヘキサン抽出物は21日間で8%から18%の生分解度が得られ,光分解産物を資化する微生物が存在することが示唆された。 (2)生分解に関与する細菌群集構造の解析 畑土壌での生分解に関与する細菌群を調べるため,光分解性ポリエチレン分解産物の代表として長鎖n-alkane(n-triacontane ; C_<30>)を用い,土壌に添加した。定期的にサンプルを回収し,DNA抽出,16S rDNAのPCR増幅を経てDGGE(Denaturing Gradient Gel Electrophoresis)解析を行った。その結果,各土壌において2種類の優占種と考えられるバンドが確認できた。これらのバンドのsequence及びC_<30>分解能を持つ菌の分離を行った結果,畑土壌でC_<30>の分解に関与している細菌種は,Nocardia sp.とMycobacterium sp.と推定された。
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