2002 Fiscal Year Annual Research Report
環境遺伝子資源からの新規環境汚染物質分解酵素遺伝子の取得と解析
Project/Area Number |
13660078
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永田 裕二 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (30237531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 雅孝 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90172022)
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Keywords | 環境汚染物質 / 環境遺伝子資源 / 芳香族化合物酸化酵素 / ハロアルカンデハロゲナーゼ / 脱塩化水素酵素 / 難培養性細菌 / 機能相補 / 土壌ライブラリー |
Research Abstract |
これまでに多くの環境汚染物質分解資化菌が単離され,その代謝に直接関与する酵素遺伝子群の解析が行われてきている。しかし,従来の方法では,まず,ある物質に対する分解資化菌の単離・培養というプロセスを経るために,それがバイアスとなって,獲得される分解菌・酵素遺伝子はどれも類似なものばかりであった。そこで,本申請研究では,集積培養やプレート上でのコロニーの形成などの培養プロセスを経ずに直接土壌環境中から単離したDNAを遺伝子資源として用いて,新規の環境汚染物質分解酵素遺伝子を取得し,それを解析・応用することを目的とした。本年度は,昨年度までに確立した土壌から直接DNAを抽出し,制限酵素での切断が可能なまでに精製する方法を利用し,広宿主域コスミドベクターを用いて,土壌から直接抽出・精製したDNAより「土壌ライブラリー」を構築した。これをナフタレン分解資化に関与する遺伝子群の一部に欠損を持つ株に導入したところ,ナフタレン資化能が相補されたクローンが獲得された。遺伝子解析の結果,ナフタレン分解資化に間接的に関与する新規遺伝子が取得されたと考えられた。一方,(1)加水分解的脱ハロゲン活性,(2)BHC脱塩化水素活性,を有する遺伝子が導入されると,それぞれ,ハロアルカン,BHCで生育が可能となる宿主を構築,あるいは取得した。これらの宿主の有効性は,既得遺伝子(linB, linA)を広宿主域ベクターで導入することにより確認した。更に,これらの株にも「土壌ライブラリー」の導入を進めている。以上,環境遺伝子資源からの新規遺伝子獲得のための基盤の構築は達成できたと考えている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 永田裕二: "有機塩素系農薬による汚染浄化のための環境バイオテクノロジー"J. Environ. Biotechnol.. 2. 25-38 (2002)
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[Publications] Bohac, M. et al.: "Halide-stabilizing residues of haloalkane dehalogenases studied by quantum mechanic calculations and site-directed mutagenesis"Biochemistry. 41. 4847-4855 (2002)
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[Publications] Genka, H. et al.: "Site-specific recombination system encoded by toluene catabolic transposon Tn4651"J. Bacteriol.. 184. 4757-4766 (2002)
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[Publications] Lee, H.-S.et al.: "Employment of the human estrogen receptor β ligand-binding domain and co-activator SRC1 nuclear receptor-binding domain for the construction of a yeast two-hybrid detection system for endocrine disrupters"J. Biochem.. 131. 399-405 (2002)
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[Publications] Oakley, A. et al.: "Exploring the structure and activity of haloalkane dehalogenase from Sphingomonas paucimobilis UT26 : evidence for product-and watermediated inhibition"Biochemistry. 41. 4847-4855 (2002)
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[Publications] Nagata, Y. et al.: "Reconstruction of Mycobacterial dehalogenase Rv2579 by cumulative mutagenesis of haloalkane dehalogenase LinB"Appl. Environ. Microbiol.. 69(in press). (2003)
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[Publications] 永田裕二, 遠藤銀朗 他: "人に役立つ微生物のはなし(くらしの中の化学と生物8)"学会出版センター(東京)羽柴輝良編集. 227 (2002)