2001 Fiscal Year Annual Research Report
転写制御系の変化の解析に基づく芳香族化合物代謝系オペロン造成機構の解明
Project/Area Number |
13660080
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野尻 秀昭 東京大学, 生物生産工学研究センター, 助教授 (90272468)
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Keywords | 転写制御 / オペロン / car遺伝子群 / Pseudomonas / 芳香族化合物分解系 / ダイオキシン / カルバゾール |
Research Abstract |
1、Pseudom on as resinovorans CA10株のcar遺伝子群の転写機構の解明 約15kbのcar遺伝子群(carAaAaBaBbCAcAdDFE)は、carAaからcarDまでとcarFEの2本の主要な転写単位としてカルバゾール生育時に誘導的に転写されており、carAa遺伝子上流にはアントラニル酸ジオキシゲナーゼ遺伝子の一部(ORF9)とそのプロモーター部分が転移している。プライマー伸長法により、carAa、carF、ORF9の開始コドンからそれぞれ38bp、117bp、79bp上流に転写開始点が存在していることが明らかになった。carAaの転写開始点は、carAa遺伝子を含むタンデムに重複した領域に見出された。また、レポータージーンアッセイによりORF9の転写開始点上流50〜100bpに転写を正に制御する領域が、上流100〜200bpに負に制御する領域の存在が示された。 2、他のダイオキシン・カルバゾール分解菌が有するcar遺伝子群様遺伝子群の転写様式の解明 car遺伝子群周辺領域の遺伝子構造を詳細に比較検討した結果、K23株、J3株、OM1株のcar遺伝子群ホモログはCA10株のそれと類似した転写様式を有していることが予想された。一方、Sphin gom on as sp.KA1株のcar遺伝子群(carAaBaBbCAc)の上流逆向きにGnt R familyのregulatorタンパク質をコードする遺伝子が見出された。CA10株には該当する酵素遺伝子は存在しないことから、KA1株のcar遺伝子群はCA10株のそれと全く異なる機構で転写誘導が起こっている可能性が示唆された。 3、選択圧がダイオキシン・カルバゾール分解系遺伝子群の構造と転写様式の変化に及ぼす影響の解析 レポーター遺伝子をcar遺伝子内に挿入した変異体作成用のプラスミド構築を行っている。
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