2002 Fiscal Year Annual Research Report
ガーリックの新規抗がん作用とデザイナーフーズとしての特徴
Project/Area Number |
13660135
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
関 泰一郎 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (20187834)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有賀 豊彦 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50096757)
|
Keywords | HTC-15 cell / Phytochemical / Garilic / Onion / Apoptosis / Sulfides / Caspase |
Research Abstract |
本研究は、ガーリック(Allium staivum L.)の強力な抗がん作用に着目し、新しい視点からネギ属植物の機能評価を行うことを目的としている。本年度は、ガーリックの抗がん作用を担うと考えられるallyl sulfidesについて、昨年度までに確立した合成法を応用して様々な関連化合物を合成し、その抗がん作用についてヒト大腸がん細胞株HCT-15を用いて検討した。 HCT-15に、0.1〜100μMのallyl sulfide(AS1)、allyl disulfide(AS2)、allyl trisulfide(AS3)を24時間処理し、細胞増殖に及ぼす影響を検討した。AS1およびAS2は細胞増殖に影響を及ぼさなかったのに対し、AS3処理では0.4μM以上で濃度依存的に細胞増殖を抑制した。IC_<50>は約2μMと算出された。Propyl sulfide類ではpropyl trisulfideがAS3と同様な増殖抑制作用を示し、0.4μM以上で濃度依存的に抑制したが、同じpropyl基を有するmonosulfideやdisulfideは細胞増殖に影響を与えなかった。さらに、methyl、e-lyl、butylなど側鎖の炭素鎖長の異なるtrisulfidesの増殖抑制作用について検討した。その結果、methyl<butyl<ehtyl<propyl=allyl効果はの順に強く、側鎖の種類も増殖抑制に影響を及ぼすことが明らかとなった。さらにAS3の作用メカニズムについて検討を行ったところHCT-15細胞をG2/M期でアレストし、caspase-3を介してapoptosisを誘導することが示唆された。 以上の結果からtrisulfide構造ががん細胞の増殖抑制に重要であることをはじめて明らかにした。現在、AS3の抗発がん作用について検討を行っている。今後trisulfide構造に着目した抗がん剤の開発や、trisulfide類を含有する食品のfood chemopreventionへの応用が期待される。
|
Research Products
(1 results)