2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13660137
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柿澤 宏昭 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90169384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 美穂 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (10312399)
宮内 泰介 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50222328)
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Keywords | 森林政策 / 分権化 / エコシステムマネジメント / ガバナンス |
Research Abstract |
構想なき分権化の矛盾が最も現れている市町村レベルを対象として、このレベルで取り組むべき森林政策とは何か、そしてその政策は誰が担うべきかを研究。現状では、大多数の市町村は権限が移譲された森林政策に関心を持っておらず、実行する能力も欠如している。この状況で「受け皿」論を展開する限り効率化を目的とした市町村合併に行き着かざるを得ない。市町村はまちづくり・総合的な土地利用政策を最優先課題とし、森林行政に関しては専門化された広域行政システムを構想するなど、森林行政システムの再編を考えるべきである。また、森林政策はまちづくりという大きな枠組みがあって始めて機能するものであり、優れた政策がトップダウンでおろされてきても機能しない。政策は行政の独占物ではなく、多様な主体が協働で形成し、担うべきものである。こうした意味で、森林や環境保全を目的としたローカルガバナンスの構築が求められている。ローカルガバナンスは、までの政府による一元的な権力的統治ではなく、多様な主体が主体的に参加して協働で地域の自治を担っていくことと定義される。あくまでも住民自治が基本なのであり、森林政策はその中に位置付けられるものであり、林野庁から市町村へと縦割りで貫かれるものが森林政策なのではない。基礎自治体としての市町村の最も重要な役割はまさにこうしたガバナンスの構築を支援し、その実行に積極的に参加することであり、こうした過程の中で始めて地域において取り組むべき森林政策のあり方が見えてくる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 柿澤宏昭: "地域における森林政策の主体をどう考えるか-市町村レベルを中心にして"林業経済研究. 50.1. 3-14 (2004)
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[Publications] Hiroaki Kakizawa: "Comparative study on Administrative Organizations for Forest Policy -With Finland and New Zealand as Case Studies-"Journal of Forest research. (in printing).
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[Publications] 柿澤宏昭: "森林ボランティア論"日本林業調査会. 345 (2004)
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[Publications] 柿澤宏昭: "森林計画学"朝倉書店. 228 (2003)