2001 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯荒廃地造林のための樹木の酸性土壌耐性機構の解明とその利用法の開発
Project/Area Number |
13660140
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 克己 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (80211895)
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Keywords | 熱帯フトモモ科樹木 / 熱帯マメ科樹木 / アルミニウム耐性 / 難溶性リン酸吸収 / 低分子有機酸分泌 / ホスファターゼ分泌 / 国際研究者交流 / タイ |
Research Abstract |
1.熱帯フトモモ科樹木9種(Melaleuca bracteata、M.cajuputi、M.glomerata、M.leucadendra、M.quinquenervia、M.viridiflora、Eucalyptus camaldulensis、E.deglupta、E.grandis)の水耕栽培系を用いて、Alによる根の伸長抑制を調べたところ、8種は1mMのAlに対して根の伸長が抑制されずAl耐性をもつことがわかった。このうちの数種は、1mMのAlによって根の伸長が促進された。Melaleuca bracteataは、1mMのAlによって根の伸長が90%抑制され、Alに対する感受性が他の種よりも高かった。これらのフトモモ科樹木について、Alストレスへの耐性機構の1つと考えられる根からの低分子有機酸分泌を調べたが、Al耐性との関係は明瞭でなかった。 2.熱帯マメ科樹木5種(Acacia auriculiformis, A.mangium, Paraserianthes falcataria, Leucaena Leucocephala, Albizia chinensis)のバーミキュライト耕栽培系により、難溶性リン酸であるリン酸鉄とフィチンの吸収を調べたところ、いずれの種もリン酸鉄を吸収利用できることがわかった。また、Paraserianthes falcatariaだけがフィチンを吸収利用できた。確立する。これらの難溶性リン酸の吸収に関与すると考えられる低分子有機酸および酸性ホスファターゼの根からの分泌を調べたところ、分泌量の種間差が認められたが、リン酸欠乏に応答した分泌量の増加はどの種でも認められなかった。 3.タイ国ナラチワ県の酸性硫酸塩土壌、泥炭湿地、砂地に試験地を設定し、植栽試験を行った。
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