2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13660156
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江前 敏晴 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40203640)
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Keywords | 表面 / バルク / 水銀圧入法 / 塗工紙 / 空隙率 / 平滑度 / 摩擦係数 / 紙 |
Research Abstract |
紙の表面がどこまでかという命題を考える上で、表面加工を行った紙である塗工紙に着目し、紙どうしの摩擦試験、正確な密度測定を行った。摩擦に関しては、近年コピー機やパーソナルプリンタが幅広く使われるようになり、高品質印刷へのニーズの高まりと共に、塗工紙が多く使われるようになってきた背景がある。それに伴い、給紙装置の「重送(複数枚の紙が同時に送られること)」が大きな問題となってきている。密度測定では水銀圧入法装置を試作し、塗工層の空隙率測定にも応用した。これらの実験から次のことがわかった。 (1)クレーより炭酸カルシウムを多く配合すると摩擦係数が高くなった。クレーは平均粒径が大きくても六角板状の形態をもつため面配向しやすく表面が平滑になるためと考えられる。 (2)ラテックス配合量18pphで静摩擦係数は最大となったが、動摩擦係数では10pph以上の配合では差が小さかった。滑りにくいゴムの特性と、配合による平滑度向上の2つの効果が重なったものと考えられる。 (3)炭酸カルシウムだけを顔料として配合した場合、カレンダリングにより動摩擦係数は約0.08低下した。 (4)水銀圧入法の測定では、表面の窪みを水銀が埋めるため、表面の粗い手すき紙ではマイクロメータ法よりも小さい厚さを示したが、A2コート紙ではほぼ同じ厚さを示した。 (5)塗工層の空隙率は、ラテックスの配合量と共に低下することがわかった。精度は±1%程度であった。CMCよりPVA配合塗工層の方が空隙率が大きいことがわかった。 以上、今年度の当初の計画をほぼ達成し、次年度以降の計画の具体化の見通しが立った。
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Research Products
(1 results)