2002 Fiscal Year Annual Research Report
分子軌道計算による樹皮ポリフェノールの消臭活性機構の解明に関する研究
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13660163
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
光永 徹 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (20219679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 迪夫 三重大学, 生物資源学部, 教授 (50012018)
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Keywords | 分子軌道 / 縮合型タンニン / 静電ポテンシャル / 消臭活性 / メチルメルカプタン / アンモニア / 付加縮合反応 / アセトアルデヒド |
Research Abstract |
本研究では樹皮の浄化作用の一つである消臭作用に着目し、樹皮抽出物中の縮合型タンニンおよびそのアセトアルデヒド付加縮合変性物のアンモニアとメチルメルカプタンに対する消臭活性メカニズムを分子軌道計算結果から明らかにすることを目的としている。 平成13年度は北川式検知管を用いてデシケーター法による消臭試験を行ったところ、樹皮由来の縮合型タンニンおよび茶抽出物のポリフェノールはアンモニアに対しては良好な消臭活性(消臭率70〜100%)を示したが、メチルメルカプタンに対しては柿抽出物以外はほとんどその効果を示さないことが明らかとなた。用いた柿抽出物は、渋柿を熱水で抽出し熟成させたものであるため、柿の生体内で蓄積されるアセトアルデヒドと縮合型タンニンが付加縮合してできる高分子不溶性物質であると考えられた。そこでアカシア樹皮由来のワットルタンニンを用いてアセトアルデヒドとの付加縮合物を合成し、その消臭活性を検討したところ、メチルメルカプタンに対し85%以上の良好な消臭活性を示すことを明らかにした。縮合型タンニンのA環のモデル化合物を用いた付加縮合物を調製し、その消臭活性と分子サイズの関係を調べた。その結果、フロログルシノールはわずかしか消臭力を持たなかったのに対し、アセトアルデヒドで付加縮合させた物は、高い消臭活性を示すとともに、dimer、trimer成分が多いほど消臭力も増加した。 平成14年度はメチルメルカプタン分子の捕捉サイトを明らかにする目的で、付加縮合物のカテキンdimerの半経験法による分子軌道計算を行ったところ、ジフェニルメタン炭素原子上(付加縮合サイト)には分子上で一番大きなプラスのチャージが存在し、メチルメルカプタン分子の硫黄原子の大きいマイナスチャージがこのサイトに引き寄せられることが予測された。また静電ポテンシャルのマッピングの結果その分布状態が大いに消臭活性と関連することを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Mitsunaga, A.H.Conner, C.H.Hills: "Predicting the hydroxymrthlation rate of phenols with formaldehyde by molecular orbital calculation"Journal of Wood science. 48・2. 153-158 (2002)
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[Publications] T.Mitsunaga, A.H.Conner, C.H.Hells: "Predicting the rectivity of phenolic compounds with formaldehydeII. Continuation of ab initio study"Journal Applied Polymer Science. 86. 135-140 (2002)
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[Publications] T.Mitsunaga, A.II.Conner, C.H.Hills: "Reaction of formaldehyde with phenols : A computational chemistry study"Adhesives. 147-153 (2001)