2001 Fiscal Year Annual Research Report
免疫反応におけるブラウン運動を指標としたHACCP対応型微生物検出法の確立
Project/Area Number |
13660201
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
遠藤 英明 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (50242326)
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Keywords | 抗原抗体反応 / 大腸菌 / HACCP / 菌数測定 / フローサイトメトリー |
Research Abstract |
本研究の目的は,水産分野におけるHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)を念頭において,免疫反応のブラウン運動を指標とした高感度かつ迅速な新しい微生物検出法を開発することである.本年度は,1)超音波振動エネルギーを用いた菌体脱離法,2)蛍光プローブPropidium iodide(PI)を用いた細菌と細菌以外の食品由来微粒子との識別,3)フローサイトメトリー(FCM)のカウント機能を利用した細菌の菌数測定,4)ポリクロナール抗体を用いた水産食品中の大腸菌群の検出を試みた. まず超音波による水産食品(練り製品,魚介類)からの菌体脱離を試みたところ,ほとんどの試料において,約5分間の照射で付着している菌体を95%以上脱離できることがわかった.次に菌体粒子と食品由来の微粒子との識別をFCM及びPIを用いて試みたところ,両者の識別が可能であることがわかった.また,大腸菌が付着した練り製品の貯蔵下における菌数測定では,10^5〜10^8cells/gの範囲で測定が可能であり,一検体の測定所要時間はわずか15分程度であった.さらにフルオレッセインイソチオシアネートで標識した抗-大腸菌ポリクロナール抗体を用いて,練り製品中の大腸菌の特異的検出を試みたところ,1時間程度でその検出が可能であることがわかった. 以上本研究では,FCMと抗-大腸菌ポリクロナール抗体及び各種蛍光プローブを組み合わせることによって,細菌の迅速検出が可能であることが明らかとなった.今後は,サブミクロン粒度分布計などの検出器を応用して,より高感度な測定法に改良してゆきたい.
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[Publications] H.Endo, Y.Nagano, H.Ren, T.Hayashi: "Rapid Enumeration of Bacteria Grown on Surimi-based Product by Flow Cytometry"Fisheries Science. 67. 969-974 (2001)