2002 Fiscal Year Annual Research Report
イカ肝臓キチン分解酵素の特性とその応用に関する研究
Project/Area Number |
13660208
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松宮 政弘 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (60150702)
|
Keywords | イカ / 肝臓 / キチン分解酵素 / キチナーゼ / アセチルヘキサミニダーゼ / 水産加工廃棄物 |
Research Abstract |
1.エキソ型キチン分解酵素(β-N-アセチルヘキソサミニダーゼ):スルメイカ肝臓を試料とし、粗酵素の調製と性質を検討した。スルメイカ肝臓を5倍量の10mMリン酸峯緩衝液(pH6.5)と共にホモジナイズし、その遠心上清を粗酵素液とした。硫安分画条件を検討したところ、飽和度45%までは沈殿せず、飽和度75%でほぼ完全に沈殿することが判明した。この操作により得られた粗酵素の最適pHは4.0で、pH3.0、5.0においても最大活性の50%以上を保持し、pH7.0以上ではほとんど活性を示さなかった。一方、pH3.0からpH7.0の広範囲で比較印安定な性質を示した。37℃、10分間反応における最適温度は60-70℃であった。また、pH4.5、10分間の熱処理では60℃まで安定であったが、80℃の処理では失活した。NaCl存在下(0-1M)において、活性に及ぼす影響はあまり見られず、高塩濃度下においても活性は阻害されないことが判明した。 2.エンド型キチン分解酵素(キチナーゼ):コウイカ肝臓を試料とし、粗酵素の調製と性質を検討した。コウイカ肝臓を5倍量の50mM酢酸緩衝液(pH5.5)と共にホモジナイズし、その遠心上清を粗酵素液とした。これに固体硫安を飽和度65%になるように加え、沈殿画分を得た。これを透析、遠心分離後、粗酵素液とした。得られたキチチーゼの最適pHは、α-キチン、β-キチン、非結晶性キチンのいずれに対してもpH5.0付近であった。また、最適温度(37℃、30分間反応)は40℃で、pH4.0、30分間の熱処理では50℃まで安定であった。 3.スルメイカ肝臓キチナーゼのcDNA:スルメイカ肝臓よりTotal RNAを抽出し、逆転写酵素によりcDNAを合成した。これをテンプレートとし、N-末端アミノ酸配列およびfamily18キチナーゼの保存配列よりデザインしたプライマーを用いてPCRを行い、予想されるサイズのDNA増幅断片を得た。これより、スルメイカ肝臓キチナーゼはfamily18キチナーゼであることが判明した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Masahiro Matsumiyhya, Kouji Miyauchi, Atsuishi Mochizuki: "Purification and some properties of a chitanase isozyme from the liver of Japanese-common squid Todarodes pacifucus"Fisheries Science. 69・2. 427-429 (2003)
-
[Publications] Y.Arakane, Q.Zhu, M.Matsuimiya, S.Muthukrishnan, K.Kramer: "Properties of catalytic, linker and chitin-binding domains of insect chitinases"Insect Biochemistry and Molecular Biology. 33. 628-631 (2003)
-
[Publications] Masahiro Matsumiyhya, Kouji Miyauchi, Atsuishi Mochizuki: "Characterization of a chitinase from the stomach of chub mackerel"Advances in chitin science. V. 403-406 (2003)
-
[Publications] Masahiro Matsumiyhya, Kouji Miyauchi, Atsuishi Mochizuki: "Characterization and application of chitinase isozymes from the liver of Japanese common squid"Advances in chitin science. Vol.VI. 265-266 (2003)
-
[Publications] Masahiro Matsumiyhya, Kouji Miyauchi, Atsuishi Mochizuki: "Characterization of 38kDa and 42kDa chitinase isozymes from the liver of Japanese common squid Todarodes pacificus"Fisheries Science. Vol.68, No.3. 603-609 (2002)
-
[Publications] Masahiro Matsumiyhya, Kouji Miyauchi, Atsuishi Mochizuki: "Characterization and application of chitinolytic enzymes of squid"Fisheries Science. Vo.68 Supplement II. 1579-1582 (2002)
-
[Publications] 松宮 政弘: "ニュース「第5回アジア太平洋キチン・キトサンシンポジウム」に参加して"キチン・キトサン研究. Vol.8,No.2. 105-107 (2002)