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2001 Fiscal Year Annual Research Report

コーヒーのフードシステムに関する理論的実証的研究-生産農民の貧困緩和に貢献するための原産国と消費国の新たな結合の可能性-

Research Project

Project/Area Number 13660219
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

新山 陽子  京都大学, 農学研究科, 教授 (10172610)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 辻村 英之  金沢大学, 経済学部, 助教授 (50303251)
Keywordsフードシステム / 南北問題 / 世界システム論 / コーヒー産業 / ニューヨーク先物市場 / 国際コーヒー協定
Research Abstract

本年度は、(1)業界関係者の知識提供を含め、計8回の研究会の実施、(2)アフリカタンザニアの調査、(3)日本国内の調査、を実施した。また、多くの国際動向に関するデータを収集した。
(1)研究会では、次の課題での知識提供や報告をうけ議論を行った。(1)タンザニアにおけるコーヒー豆の流通と輸出の構造、(2)世界のコーヒー栽培の歴史と現状における諸問題、(3)コーヒー焙煎メーカーの競争構造、レギュラーコーヒー加工業を中心とした企業結合構造、(4)商品先物市場の機能と取引の仕組み、(5)コーヒーフードシステムの基礎条件、外観的状態、連鎖構造の各段階における取引方法と価格形成メカニズム、(6)日本におけるコーヒー輸入、流通の仕組み、(7)農産物国際貿易品の取引の仕組み、(8)コーヒー産業変革の諸問題
(2)タンザニア調査は、8月15日〜22日キリマンジャロ州、24日〜27日タンザニア市において実施し、ニューヨーク・コーヒー取引所の先物価格の歴史的安値の下で、生産者、流通業者、輸出業者、そして日本商社が、いかなる影響を被っているのか、生産者の悲惨な現状を改善するための課題に関して、調査を行った。
(3)国内調査は、2月に大阪で、生豆問屋1件、コーヒー焙煎メーカー2件、コーヒーチェン店1件のヒアリングを実施し、3月に東京で、コーヒー豆輸入商社1件、焙煎メーカー2件、コーヒーチェーン店1件のヒアリングを実施する予定である。
以上を通じて以下の諸点が明らかになってきている。
(1)新興産地のブラジル、ベトナムの生産の大幅な拡大により、需給関係が崩れ、国際価格が暴落を続けている。これによってブラジル、ベトナムのコーヒー生産農民は、生計が維持できない状態となり、逃散が相次ぎ悲惨を極める社会状況となっている。旧産地アフリカは、豆の品質はよいが自然的生産条件が厳しくコストが高いため、国際競争において地位を低下させ、やはり生産農民の生計の維持が困難となっている。
(2)このような国際需給と国際価格を調整しうる国際的な制度は、アメリカの脱退によるICA(国際コーヒー協定)の機能停止(1989年)以降、生産国連合(ACPC)の結成もあるが、有効な制度を持たないままである。
(3)消費国日本においては、総消費量は増えているが、消費構造は変化している。従来大きな比重を占めていた業務用需要が低下し、喫茶店に対するニーズの変化、新業態の外資系コーヒーチェーン店の台頭により、大きな構造変動期に入っている。それと平行して、輸入商社-生豆問屋-焙煎メーカー-業務需要者・小売店のシステムにも構造変動が起こり、事業段階間の垣根がなくなってきている。
以上のようななかで、原産国の生産農民の内発的発展はかりうる、新しい原産国-消費国結合のあり方を模索する必要がある。非常に困難な課題ではあるが、これを次年度の課題としている。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 辻村英之: "日本におけるタンザニア産コーヒー豆の輸入と消費の構造分析"金沢大学経済学部論集. 22巻2号. 237-261 (2002)

URL: 

Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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