2002 Fiscal Year Annual Research Report
アジアにおける畜産革命による畜産物消費拡大構造と国際流通
Project/Area Number |
13660234
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Research Institution | Gifu City Women's College |
Principal Investigator |
杉山 道雄 岐阜市立女子短期大学, 学長 (40021696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 順一 岐阜市立女子短期大学, 助教授 (40113310)
田中 正紀 岐阜市立女子短期大学, 助教授 (70155167)
神谷 信明 岐阜市立女子短期大学, 教授 (10070905)
小栗 克之 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (20233497)
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Keywords | 畜産革命 / 全体食 / ウエットマーケット / フードシステム / バラエテイミート / 不殺生・離殺生 / 異成分需要 / 差別的輸出政策 |
Research Abstract |
欧米における畜産物消費の停滞に対してアジアにおける畜産物需要の拡大を「畜産革命」とし、緑の革命に次いで「第2の食料革命」と位置付けられる。本研究はその畜産物消費拡大構造を、東アジアと南アジアに分けて詳細に分析した。さらにそれに対する宗教的・文化的影響について分析し、国際流通への影響を分析した。 その結果を著書2編、外国の学会誌に7編、国内の学会誌やその他紀要論文などで15報報告した。東アジアは中国での牛肉と豚肉の流通・消費について検討、特に豚肉の副生物が正肉同様に消費されている状況と韓国における牛肉が副生物も含め、300通り以上あることを分析し、両国とも畜肉が「全体食」として利用されていることを解明した。南アジアについてはスリランカ、インド、ネパールを対象として調査し分析した。日本については畜肉の副生物消費構造を東日本と西日本にわけ、さらに岐阜県を対象として栄養調査をもとにその地域消費構造を明らかにした。宗教・文化の影響を韓国・インド・スリランカについて分析、さらにアメリカ・オーストラリアなどの輸出政策を検討した。 アジアの畜産革命が畜種別・部位別消費に宗教が絡んでいることの分析が先進輸出国の注目を浴びた。ヒンズー教国の牛肉忌避、イスラム教国の豚肉忌避、仏教国では畜肉を食べても良いが畜産物生産、流通・と殺業に関わってはいけないとする「離殺生」がある。また「不殺生」の原理も加わって人種間、民族間分業がなされているとみてよい。こうした特徴ある需要構造が輸出国による部分肉本位の差別的貿易政策となって現れている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] H.Sugiyama, K.Oguri, N.Kamiya: "Livestock Farming in Tropical Developing Asian countries"Bull. of Gifu City Women's College. 51. 7-14 (2001)
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[Publications] Til Chandra, K.Oguri, I.Arunasiri: "Importance of Livestock Markets for Sustainable Development of Meat Marketing in Nepal"Journal of Agri. Marketing Research. 10-1. 1-10 (2001)
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[Publications] H.Sugiyama, K.Oguri, I.Arunasiri, N.Kamiya: "Development of Livestock Sector in Asia"Bull. of Gifu City Women's College. 52. 1-11 (2003)
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[Publications] 柳 泰春, 許美淑, 超ヨン訓, 成 キ政, 杉山道雄: "国際生協提携に関する日韓組合員の意識比較"協同組合研究. 21巻2号. 45-59 (2001)
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[Publications] 神谷信明: "韓国における食肉文化とその背景"印度仏教学研究. 51-4. 233-237 (2002)
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[Publications] 神谷信明: "インドにおける畜産と宗教・文化の影響"岐女短紀要. NO,52. 38-43 (2002)
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[Publications] 杉山道雄: "高橋正郎編『フードシステム学全集第1巻』インテグレーション論の展開とフードシステム研究"農林統計協会. 69-84 (2002)