2001 Fiscal Year Annual Research Report
酸性雨主成分の相違が火山灰土壌に与える影響予測手法に関する研究
Project/Area Number |
13660236
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
松川 進 宇都宮大学, 農学部, 教授 (70008069)
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Keywords | 酸性雨 / 火山灰土壌 / 硫酸、硝酸イオン / 酸性化予測 |
Research Abstract |
日本の降雨の平均pHは約4.8であるが、東アジアにおける工業化の著しい進展により、今後も酸性化する可能性が指摘されている。また、日本の畑地土壌の約50%は火山灰土壌で占められ、農作物生育や水系保全の観点から火山灰土壌への酸性雨の影響予測手法確立が必要である。 このため、酸性雨の主成分であるpH4硫酸、硝酸溶液、および硫酸と硝酸の混合液を北関東ローム土壌に繰り返し添加するバッチ法、および浸透実験を適用し、pH変化、陰イオン吸着量、アルミニウムの溶解などに及ぼす影響を比較した。その結果、硝酸溶液添加時が最もpHの低下が大きく、次いで混合溶液の順であり、硫酸溶液ではpHが上昇した。また、アルミニウムの溶解が確認されたのは、硝酸溶液、混合溶液で、硫酸溶液では溶解は発現しなかった。pH変化が異なる主要因は陰イオン吸着による酸緩衝機能差であった。 陰イオン吸着曲線は水素イオンと陰イオン濃度の関数で良好に表すことが可能であり、アルミニウムの溶解曲線は混合溶液の場合に最も水素イオン濃度に依存することが判明した。 バッチ法での測定結果をシミュレートするために、1)アルミニウムの溶解と加水分解、2)陽イオン交換、3)炭酸塩平衡、4)陰イオン吸着、5)一次鉱物の溶解、6)電気的中性条件、7)質量保存則、よりモデルを構成した。その結果、pHで±0.3程度の誤差で予測可能であった。 また、酸性溶液の浸透実験で得た溶脱液のイオン濃度予測には、バッチ法で用いた化学平衡式とミキシングセルモデルを組み合わせ、プログラム作成と動作の確認が終了した。
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Research Products
(1 results)