2001 Fiscal Year Annual Research Report
地下水流動と汚染物質移動の並列コンピュータによる数値解析に関する研究
Project/Area Number |
13660239
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 忠次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70167500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 一人 琉球大学, 農学部, 助教授 (10253949)
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Keywords | 並列処理 / 非線形解析 / 有限要素法 |
Research Abstract |
環境に関わる問題は多くの場合非線形現象が関わっており、二次元、三次元の非線形解析を実現していくためには、大規模計算が必要となる。したがって、環境問題の解明には並列処理コンピュータの利用技術の開発がますます重要となっている。Visual Technology社のVT-PC Clusterを導入し、既存の並列化されたプログラムを用いて、導入したシステムの動作確認を行った。MPI並列処理プログラミングを適用したプログラムで並列化の効果を調べた。すなわち、CPU使用数を1-8台に増やし、実効速度を測定した。その結果、並列化により、8CPUは1CPUの4.6倍の効果を挙げることがわかった。 MPI並列処理プログラミングは並列処理ソフトの可搬性をかなりの程度実現しているシステムであり、これを用いてフォートラン言語による有限要素解析プログラムの開発を行うための開発環境の準備が整った。 非線形解析の有限要素解析では、地盤分野で多用されている一面せん断試験そのものを境界値問題として解析し、開発した手法がせん断帯の発達までを良くシミュレートできる結果を得ることができた。また、このことによって一面せん断試験装置が一定の条件を備えていれば、境界部の摩擦などによってあまり影響を受けず信頼できる強度定数を提供できることを示すことができた。 さらに、擁壁状の構造物の有限要素法による安定解析手法を開発した。模型実験と比較し、掘削段階から、地震時までの挙動(今回は震度法を対象とした)について、変形から、崩壊までを連続的に解析することができることを検証した。
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