2002 Fiscal Year Annual Research Report
干拓堤防下の有明粘土の理工学的性質の把握と有限要素法による干拓堤防の挙動解析
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13660245
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
東 孝寛 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00181066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥山 浩樹 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (10208788)
大坪 政美 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80112316)
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Keywords | 有明粘土 / 理工学的性質 / 干拓堤防 / 有限要素解析 |
Research Abstract |
有明粘土の理工学的性質について,主に有明海東岸域の横島干拓地先(熊本県)と昭代干拓地先(福岡県)の2地点でシンウォールサンプリングした試料を用いて実験的に検討した。その結果,横島干拓堤防直下の沖積有明粘土層は,堤体荷重のため2.5〜3.0m圧密沈下し,一軸圧縮強度が周辺地盤の2倍以上になっていること,および堤防直下地盤は,洪積有明粘土層(標高EL.-40m以浅)を含めてほぼ正規圧密状態にあることが分かつた。また,東岸域の有明粘土は,北岸域や西岸域の有明粘土より粘土分含有量が少なく,砂分含有量の違いが強度特性や圧密特性へ影響を及ぼすこと,およびシルトや砂分に富むシーム層の存在が非排水せん断強度へ影響を及ぼすことが明らかとなった。 さらに,有明粘土のベーンせん断強度S_<uv>とフォールコーン貫入量dの関係は,コーン貫入理論から求まる静的貫入でコーン表面が滑らかな場合のS_<uv>-d関係と比較的よく致すること,および東岸域の有明粘土のJIS法とフォールコーン法から求めた液性限界w_Lはよく一致するが,粘土分が多い西岸域の有明粘土や八郎潟粘土(主要粘土鉱物が有明粘土と同じスメクタイトである)では,w_Lが大きく(95〜100%以上)なると,JIS法から求まるw_Lが大きくなる傾向にあることが判明した。ひずみ速度を種々に変えた定ひずみ速度載荷圧密試験からは,初期状態(初期間隙比または初期含水比)が同じであれば,ひずみ速度が大きいほど圧密降伏応力が大となることを確認した。 他方,本研究で使用している微小・有限変形解析用弾塑性有限要素解析プログラムを使用して,遠心模型実験が実施されているフーチング支持力問題の解析を行い,本プログラムの適用性について検討した。その結果,本有限要素解析結果は,遠心模型実験の沈下挙動や過剰間隙水圧挙動の特徴を的確に捉えていることから,干拓堤防の挙動解析へも十分適用可能であることを実証した。
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Research Products
(1 results)