2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13660253
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Research Institution | MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
小幡 英二 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (40002935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 勇一 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (00250522)
太田 光浩 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (00281866)
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Keywords | 堆肥化 / 牛糞 / 熱回収 / 水分調節剤 / 堆肥温度 / 通気量 |
Research Abstract |
本研究では牛糞尿の好気性発酵によって発生する熱の回収システムの開発を目的として、牛糞尿の発酵堆肥化実験を行い、堆肥化プロセスを通して堆肥化に必要な条件を探った。また実際に熱回収実験も行い、堆肥化への影響を考察した。 牛糞の水分は85.8%であり、このままでは好気性発酵は進行しずらいと考えられたため、水分62.4%の戻し堆肥を混合させることで試料水分を78.0%まで低下させた。通気量は牛糞中の微生物の活動に影響を及ぼすため通気量を3条件に設定し、堆肥化実験を行った。堆肥化実験装置「かぐやひめ」の取り扱い説明書によれば、「1m^3の堆積堆肥に対し50Lの通気量が適正」であるため、試料容積からエアーポンプの通気量を0.7L/minとした。もう1つの条件は通気量1.4L/minとし、残りの1条件は1回目の切り返しの前後で通気量を1.4L/minから0.7L/minに変更した場合について行った。以上3条件により通気量の違いによる堆肥温度の変化を調べた。実験開始時かぐやひめのエアーポンプの通気量0.7L/min、及び通気量1.4L/mlであったが、どの条件でも実験開始後温度上昇を示し、約1週間で最高値に達した。以後約3週間かけて緩やかに堆肥温度は低下していった。実験開始から27日後、すべての堆肥温度が室温付近まで低下したため、切り返しを行った。その際微生物による発酵を促進させることを目的として、すべての堆肥に戻し堆肥を新たに各1kg混ぜ合わせた。実験開始から43日後、2回目の切り返しを行い、堆肥温度に大きな変化が見られないため71日目に実験を終了した。 通気量0.7L/minの堆肥温度は実験開始から約4日後に最高値38.3℃に達した。その後約4日間38℃を維持し堆肥温度は低下していった。通気量1.4L/minとした堆肥温度はどちらもほぼ同様の動向を示した。最高値は実験開始から約8日後に最高値36.9℃、37.3℃に達した。両実験とも約6日間堆肥温度は約37℃を維持し、その後堆肥温度は低下していった。1回目の切り返し後では、通気量を1.4L/mihから0.7L/minに変更した堆肥が32.0℃で量も高く昇温し、通気量1.4L/minとした堆肥30.6℃、通気量0.7L/minとした堆肥29.7℃と続いた。 結論として、堆肥発酵熱の回収は有機質分解過程の初期10日間のみが有効である。
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