2002 Fiscal Year Annual Research Report
感染予防利用へ向けたビフィズス菌の細胞接着タンパク質遺伝子構造の解析
Project/Area Number |
13660272
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
向井 孝夫 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (20229917)
|
Keywords | Bifidobacterium / Lactobacillus / レクチン / 付着 / 遺伝子 |
Research Abstract |
本研究ではBifidobacterium bifidumの腸上皮細胞への接着に糖鎖結合タンパク質が関与しているものと考え、タンパク質および遺伝子レベルで同定することを目的とし、遂行してきた。その結果、約60kDaの菌体表層タンパク質が糖鎖結合タンパク質であるものと推察された。また昨年度、B.bifidumに加え、Lactobacillus reuteriおよびLactobacillus acdophilusにおいても糖鎖結合タンパク質を発現している株の存在を明らかにした。これらの菌も糖鎖結合タンパク質として分子量約50-60kDaのタンパク質が関与していることを示唆した。本年度は、これら3種の菌株が産生する糖鎖結合タンパク質遺伝子の同定を試みるとともに、大腸菌における発現タンパク質を作製し、糖鎖結合タンパク質の性状を明らかにすることを目的とした。 PCR法およびインバースPCR法でそれぞれの遺伝子を増幅し、塩基配列を解析しORFを決定した。また、塩基配列の情報に基づき成熟タンパク質領域を大腸菌で発現させた。その結果、B.bifidumおよびL.reuteriの遺伝子情報に基づいて作製された発現タンパク質は目的とする糖鎖に結合しなかったが、L.acidophilusにおいてはマンノース糖鎖に結合することが示され、確実に糖鎖結合タンパク質であることを明らかにした。また、L.acidophilusにおける発現タンパク質は腸管切片を用いた免疫染色法で、上皮部分によく結合することも示された。前2者の発現タンパク質が糖鎖に結合しなかった原因については今後検討していく予定である。
|
Research Products
(1 results)