2002 Fiscal Year Annual Research Report
豚精液新規リラキシン様蛋白の精子におけるコレステロール放出と受精能獲得機構の解明
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13660283
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
高坂 哲也 静岡大学, 農学部, 教授 (10186611)
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Keywords | リラキシン / 精子 / コレステロール / 受精能獲得 / アクセプター / ブタ |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の成果を基に、リラキシン様蛋白質のブタ精子細胞膜コレステロール放出と受精能獲得に挑戦し、以下の成果を得た。 1.[^3H]コレステロールを取込ませたブタ精子におけるリラキシン様蛋白質によるコレステロール放出作用:[^3H]コレステロールをブタ精子の細胞膜に取込ませ、リラキシン様蛋白質の添加による精子のコレステロール放出率の変化を調べた。その結果、リラキシン様蛋白質は[^3H]コレステロールを取込んだブタ精子の細胞膜からコレステロールを放出させ、その放出率は添加4時間後に約50%となることを明らかにした。 2.精子細胞膜コレステロールの放出部位の同定:リラキシン様蛋白質により誘起されるコレステロールの放出が精子のどこで起こるのか、その放出部位をフィリピン蛍光染色法で同定した。その結果、リラキシン様蛋白質は精子頭部の先体の細胞膜からコレステロールを特異的に放出させることを突き止めた。 3.リラキシン様蛋白質によるコレステロール放出がブタ精子の受精能獲得に及ぼす影響:リラキシン様蛋白質によって誘起されるコレステロール放出がブタ精子の受精活性の付与(受精能獲得)の起因となるか、クロロテトラサイクリン法で調べた。その結果、本蛋白質はコレステロール放出を促して受精能獲得反応に直接関与することを見いだした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Kohsaka et al.: "Relaxin"Journal of Clinical Veterinary Medicine. 20. 151-159 (2002)
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[Publications] T.Kohsaka et al.: "Seminal immunoreactive relaxin in domestic animals and its relationship to sperm motility as a possible index for predicting the fertilizing ability of sires"International Journal of Andrology. 26. 115-120 (2003)
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[Publications] T.Kohsaka et al.: "Animal Frontier Sciences(Sato E, Miyamoto H & Manabe N, eds)"Hokuto Shobo, Kyoto. 353 (2003)