2002 Fiscal Year Annual Research Report
スナネズミにおける妊娠黄体のプロジェステロン産生に関する研究
Project/Area Number |
13660290
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
甲斐 藏 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90115543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 豊 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (00246852)
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Keywords | スナネズミ / 妊娠 / プロジェステロン / 黄体 / 組織培養 / 細胞培養 / LH添加 / PGF2α添加 |
Research Abstract |
黄体組織培養(甲斐)と放出プロジェステロンの測定(園田) 妊娠期(妊娠9,18,22日)の卵巣を採取し、黄体を卵巣から分離した。96穴プレートを使用し、1個ごとにRPMI1640(+5%FSC)溶液中で培養した。血清中や培養液中のP_4レベルは市販のEIA測定キット(Cayman社)を用いて測定した。黄体は4時間培養後洗浄することで培養液を更新し、さらに24時間培養した。培養後の培養液中のP_4レベルは、9,18そして22日と妊娠が進むにつれて減少した。個体ごとの全黄体の合計P_4量では、妊娠9日は18と22日より有意に多かった。血清中P_4レベルはこれまでの報告同様、妊娠の経過とともに減少した。血中と培養液中のP_4レベルには有意な相関が示され、スナネズミの妊娠中の血中P_4は黄体に依存することが示唆された。 黄体細胞培養(甲斐)と放出プロジェステロンの測定(園田) 妊娠期(妊娠9,18,22日)の卵巣を採取し、分離した黄体をコラゲナーゼにより分解し、パーコール比重液により細胞を単離した。共焦点レーザー顕微鏡による観察で20μm程度の大型細胞と10μm程度の小型細胞が認められ、大型細胞の割合は妊娠9日のほうが多かった。大型細胞集団の存在はフローサイトメーター解析でも認められた。単離細胞を4x10^4個ごと96穴プレートに播種し、24時間培養した。培養液だけの対照群の培養液中のP_4量では、妊娠9日が18日よりほぼ2倍多く、LH(1-1000ng/ml)を培養液に添加した場合、その放出量は上昇した。これに対し、PGF2α(0.1-100pmol/ml)を培養液に加えた場合には、無添加群とほぼ同等かより低下した。ラット妊娠16日の同数の細胞と比較すると、無添加群とLH添加群のいずれも、スナネズミのほうが有意に多くのP_4を放出することが明らかとなった。これらのことから、スナネズミでは妊娠中のP_4産生において黄体が重要であることが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] O.KAI, N.MATSUMOTO, M.TAKINOSAWA, Y.SONODA: "Maintenance of pregnancy in ovarietomized Mongolian gerblis (Meriones unguiculatus)"Animal Science Journal. 73. 333-337 (2002)
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[Publications] 江藤忠洋, 園田 豊, 甲斐 藏: "妊娠スナネズミにおける単離黄体細胞のProgesterone放出について"日本畜産学会第101回大会講演要旨. (2003)