2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13660296
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田谷 一善 東京農工大学, 農学部, 教授 (60092491)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
代田 眞理子 食品薬品安全センター秦野研究所, 研究員
太田 亮 食品薬品安全センター秦野研究所, 研究員
|
Keywords | Hatanoラット / 条件回避 / インヒビン / ストレス反応性 / ACTH / プロラクチン / コルチコステロン / FSH |
Research Abstract |
Sprague-Dawley系ラットからシャトルボックス条件回避学習試験で良好な成績を示した動物、あるいは劣悪な成績を示した動物をそれぞれ選抜し、近交系のHatanoラットが作出された。良好な成績の動物をHatano高回避ラット、劣悪な成績の動物をHatano低回避ラットと称し、現在まで40世代を超え維持されている。 本研究では、Hatanoラット両系の運動と内分泌について比較検討した。 (1)雄の生殖内分泌:成熟雄ラットの下垂体・精巣軸について検討した結果、LAAラットでは、精巣からのインヒビン分泌量が多く、下垂体からのFSH分泌量が少ない。 (2)泌乳ラットの母性行動と内分泌:LAAとIIAA系ラットを比較検討した結果、巣作り行動は、両系共に差が無く、乳子回集行動は、HAA系ラットが優れていることが判明した。また、LAA系ラットは、HM系ラットに比べて乳汁分泌量が少ない事実が明らかとなったことから、オキシトシン投与実験を実施した結果、両系共に乳汁分泌量は同様に増加した。一方、プロラクチン分泌量は、LAA系ラットがHAA系ラットよりも多いことが判明した。 (3)ストレス負荷と内分泌:成熟雄ラットに拘束ストレスを負荷した結果、HAA系ラットがLAA系ラットに比較してACTH、コルチコステロンおよびプロジェステロン分泌量が多く、プロラクチン分泌量が少ない事実が判明した。 以上の結果から、HAA系ラットは、雌雄共にACTH分泌量が多く、プロラクチン分泌量が少ない事実が明らかとなった。これらの内分泌学的差は、ドパミンの分泌量の違いであろうと推察され、このドパミン分泌量の違いが両系ラットの記意力の違いに関与する可能性が示唆された。
|