2001 Fiscal Year Annual Research Report
ブラジキニンの血管反応多様性の解明〜G-蛋白質機能と代謝分解の検討〜
Project/Area Number |
13660302
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮本 篤 鹿児島大学, 農学部, 助手 (70219806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 晃 鹿児島大学, 農学部, 教授 (90133181)
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Keywords | ブラジキニン / 脳底動脈 / 冠状動脈 / 血管反応 / G-蛋白質 / チロシンリン酸化 / ブタ / ウシ |
Research Abstract |
本研究は、(1)ブラジキニン(BK)刺激のG蛋白質機能制御に関する検討、(2)BKの血管反応へのチロシンリン酸化の関与の検討、(3)BK刺激により合成遊離したNOおよびアラキドン酸代謝産物の定量およびそれらの相互作用の検討、(4)アンジオテンシン変換酵素(ACE)および中性エンドペプチダーゼ(NEP)活性の定量とBK分解速度の検討、から成り立つ。 平成13年度は、(1)および(2)を予定していたが、実験は現在も進行中である。特に脳底動脈内皮細胞培養方法の確立にはまだ時間を要するものと思われる。先に(4)のアンジオテンシン変換酵素(ACE)および中性エンドペプチダーゼ(NEP)活性の定量が摘出ブタ脳底動脈で終了し、両活性値とBKによる血管反応との関連性を報告した(11.研究発表、雑誌論文参照)。すなわち、ACE阻害薬であるカプトプリルとNEP阻害薬であるチオルファンは、シクロオキシゲナーゼ阻害薬の存在下で起きるBK弛緩反応のpD_2値を8.11から9.55に、B_2-拮抗薬の[Thi^<5.8>D-Phe^7]-BKのpA_2を6.95から7.59に上昇させた。また、NO阻害薬の存在下で起きるBK収縮反応のpD_2値を7.93から8.97に、[Thi^<5.8>D-Phe^7}BKのpA_2を6.86から7.50に上昇させた。カプトプリルは、ACE活性をIC_<50>値38.0nMで、チオルファンは、NEP活性およびACE活性をそれぞれIC_<50>値1.4nMおよび295.0nMで抑制した。内皮細胞の除去は、ACE活性およびNEP活性を76.7%および15.9%それぞれ抑制し、ACEmRNAレベルを59.4%抑制したが、NEPmRNAレベルには有意な影響を及ぼさなかった。以上の結果から、ブタ脳底動脈のBKによる弛緩と収縮反応は、カプトプリルとチオルファンにより、主に血管内皮細胞に存在するACE活性を抑制することにより増強していることが示唆された。 今後、(1)および(2)の実験を完成させたい。
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Research Products
(1 results)