2003 Fiscal Year Annual Research Report
ウツ卵巣での血管作動性腸管収縮ペプチド/エンドセリン2の生理的・病因的役割の解明
Project/Area Number |
13660308
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
打出 毅 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (20327456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天間 恭介 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (50050654)
斉田 要 産業技術総合研究所, 分子細胞, 主任研究員 (00357055)
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Keywords | ウシ / エンドセリン2 / 血管作動性腸管収縮ペプチド / クローニング / 卵巣 |
Research Abstract |
血管作動性腸管収縮ペプチド(VIC)はエンドセリン(ET)ファミリーに属するペプチドであり、ヒトやイヌのET-2に対応するペプチドと考えられている。我々は、ET-2およびVICの生理学的役割をマウスを実験モデルとして検討してきた結果、卵巣機能と密接な関係がある事を示した。そこで、本研究では、このマウスにおけるVICの基礎研究を基にし、ウシ卵巣におけET-2/VICの役割の解明を試みる。牛では、卵巣疾患に由来する繁殖障害が多く見られ、ウシの卵巣を題材とすることは獣医学上意義が大きい。 本年度は昨年度の研究成果を基に、ウシET-2遺伝子の臓器における発現解析をreal-time PCRを用いて定量的に行った。 1)ウシの臓器(心、肺、肝、腎、脾、弟1胃、弟4胃、12指腸、結腸、子宮、卵巣)におけるET2 mRNAの発現解析をreal-time PCRによって行った。肺、腎臓および子宮における発現量は、消化管(弟1胃、弟4胃、12指腸、結腸)における発現量よりも高かった。この結果は、これまで報告されている、人、マウスおよびラットでの結果と大きく異なっていた(人、マウスおよびラットでは、消化管における発現量が最も多い)。 2)ウシの卵巣におけるET2 mRNAの発現解析をreal-time PCRによって行った。ウシ卵巣における発現量は著しく低く、これまで報告されているマウスおよびラットでの結果と大きく異なっていた(マウスおよびラットの卵巣における発現量は高く、子宮や消化管と同程度である)。ウシの黄体退行にはET-1の関与が知られており、黄体退行に先行してET-1が卵巣で高発現することが証明されてる。そこで、本課題ではウシの黄体退行期におけるET-2 mRNAの発現量を経時的に検討した。その結果、ET-2 mRNAの発現レベルの変化は観察されなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Uchide, T., Fujimori, Y., Temma, K., Sasaki, T., Saida K.: "Cloning of bovine preproendothelin-2cDNA and organ distribution of transcripts."DNA Seq.. 14. 385-392 (2003)
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[Publications] Fujimori, Y., Uchide, T., Saida, K., Temma, K., Sasaki, T., Akera, T: "Cloning of full-length preproendothelin-2 cDNA and its expression in dog"J.Vet.Med.Sci.. 65. 1217-1225 (2003)
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[Publications] Adur, J., Takizawa, S., Quan, J., Uchide, T., Saida K.: "Increased gene expression and production of murine endothelin receptors after birth."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 305. 700-706 (2003)
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[Publications] Masuo, Y., Ishikawa, Y., Kozakai, T., Uchide, T., Komatsu, Y., Saida, K.: "Vasoactive intestinal contractor / endothelin-2 gene expression in the murine central nerveous system."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 300. 661-668 (2003)
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[Publications] Kozakai, T., Sakate, M., Masuo, Y., Uchide, T., Saida, K.: "Increased gene expression of endothelin-1 (ET-1) and vasoactive intestinal contractor / endothelin-2 in the mammary gland of lactating mice."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 297. 1339-1343 (2002)
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[Publications] Uchide T., Fujimori Y., Sasaki T., Temma T., Lee, Y.S., Saida, K.: "cDNA and deduced amino acid sequences of ferret preproendothelin-2 and phylogenetic analysis."DNA Seq.. 13. 369-374 (2002)