2001 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠動物の体液中エストロンサルフェート濃度による胎子成熟度の判定
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13660320
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
浜名 克己 鹿児島大学, 農学部, 教授 (30011977)
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Keywords | エストロンサルフェート濃度 / 乳汁中OS濃度 / 血液中OS濃度 / 妊娠診断 / 胎子の成熟度 |
Research Abstract |
家畜では妊娠中期以降は妊娠経過のモニターが難しく、特に胎子の成熟度や生死判別あるいは双子診断等は困難で、分娩時における事故の多発につながる恐れがある。 今回、胎盤由来とされるエストロンサルフェート(OS)の産生機構を組織内分泌学的に明らかにするため、体液中OS濃度を経時的に測定した。 2000年〜2001年に鹿児島県内の酪農家にて飼養中の乳牛230頭(妊娠牛169頭、非妊娠牛61頭)について、乳汁中および血液中OS濃度をEIA法(Confirm, ICP, NZ)にて測定した。その結果、人工授精後100日以上の妊娠牛では平均150pg/mlとなり、非妊娠牛および人工授精後100日未満の乳牛の13.0pg/mlより有意に高くなった。また、妊娠牛のうち、28頭については毎月乳汁を採取し、妊娠経過に伴うOS濃度の変化を観察した。その結果、OS濃度は妊娠前半は低いものの、妊娠100日で150pg/ml、160日以降で平均1000pg/ml以上を示した。一方、血液中のOS濃度では、妊娠150日以上で平均1000pg/ml以上となり、非妊娠牛の316pg/ml、人工授精後150日未満の606pg/mlより有意に増加した。 今後は、例数を増やすとともに、糞中のOS濃度も合わせて検討する。また、妊娠維持ホルモンのプロジェステロン濃度についても、血液中や乳汁中濃度を測定し、OS濃度との関連を検討する。さらに、胎盤材料を入手し、組織内分泌学的に検討する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kamimura S: "Ultrasonography and ovariectomy for determining individual follicular state superovulated on different estrous cycle in Japanese black cows"14^<th> Inter cong Anim Reprod. 2. 16-17 (2000)
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[Publications] 上村俊一: "腔内プロジェステロンとGnRHの併用による分娩後無発情牛の治療効果"鹿児島大学農学部学術報告. 50. 57-62 (2000)
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[Publications] 上村俊一: "浸漬胎子の外科的処置後、子宮の癒着を防止し、再妊娠した黒毛和種"日獣会誌. 54・3. 195-198 (2001)
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[Publications] 上村俊一: "発情周期の異なる時期における過剰排卵処置が超音波診断による卵胞発育と卵巣摘出による卵胞評価に与える影響"鹿児島大学農学部学術報告. 51. 29-36 (2001)
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[Publications] 上村俊一: "出生直後より腰帯からの止血異常がみられた新生子牛"日獣会誌. 54・7. 547-550 (2001)
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[Publications] 石川初: "牛への灸処置が血中ホルモン濃度と子宮動脈血流量に及ぼす影響"日獣会誌. 54・7. 527-532 (2001)