2001 Fiscal Year Annual Research Report
トリパノゾーマ原虫表面の糖脂質抗原を応用したワクチンの開発
Project/Area Number |
13660325
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
渡来 仁 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助教授 (50175139)
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Keywords | ガングリオシド / モノクローナル抗体 / 糖脂質 / Trypanosoma brucei / ワクチン / トリパノゾーマ病 |
Research Abstract |
本研究は、トリパノゾーマ病予防のワクチンを開発するために、Trypanosoma bruceiをモデルに原虫表面の糖脂質抗原の抗原性を明らかにし、糖脂質抗原を応用したトリパノゾーマ病のワクチンを開発することを目的として行われた。平成13年度においては、T.brucei表面の糖脂質抗原を解析するとともに糖脂質抗原を認識するモノクローナル抗体を作製し、T.brucei表面の糖脂質抗原をターゲットとした治療・予防の可能性について調べ、下記の研究成果を得た。 1、T.bruceiからの糖脂質の精製。 T.bruceiからクロロホルムーメタノールにより総脂質を抽出し、そこから中性糖脂質ならびに酸性糖脂質(ガングリオシド)を精製した。薄層クロマトグラフィーの解析により、原虫表面の中性糖脂質としてグルコシルセラミドとラクトシルセラミドが、ガングリオシドとしてGM3、GM1、GD1a、GD1bが同定された。これらの糖脂質はいずれも原虫表面に発現していることが示された。 2、T.brucei関連糖脂質抗原をターゲットとした、モノクローナル抗体によるin vitroにおける治療実験。 T.brucei関連糖脂質に対するモノクローナル抗体(抗GM3モノクローナル抗体ならびに抗GM1モノクローナル抗体)を、T.brucei培養系に加え、T.bruceiの増殖抑制効果についてin vitroにおいて調べた。その結果、いずれのモノクローナル抗体によっても補体依存性に、また抗体の用量依存的にT.bruceiの増殖が抑制され、T.brucei関連糖脂質抗原をターゲットとした治療・予防の可能性が示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Watarai, S., et al.: "Analysis of neutral glycosphingolipids of Trypanosoma brucei"Vet. Parasitol.. (発表予定).
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[Publications] Watarai, S., et al.: "Isolation and characterization of gangliosides from Trypanosoma brucei"Vet. Parasitol.. (発表予定).
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[Publications] Watarai, S., et al.: "Inhibitiry effect of anti-ganglioside antibodies on in vitro growth of Trypanosoma brucei"Vet. Parasitol.. (発表予定).