Research Abstract |
住環境にみる真菌のなかでズーノーシスに関連する真菌について,公衆衛生学的観点から菌学・生態学的研究を行った。調査は室内動物(イヌ,ネコ)飼育家庭環境42件および非飼育環境37件について行い,試料としてハウスダスト(HD)を回収した。そのHDから真菌の検索を行い,両環境での真菌の動態を比較検討した。 その結果,真菌数を比較すると動物飼育環境では1.7×10^4-8.6×l0^6/g(HD),非飼育環境では2.3×10^4-7.8×10^6/g(HD)であり,両者には差を認めなかった。 主要真菌は飼育環境ではAspergillus, Penicillium, Cladosporium, Eurotium, Fusarium非飼育環境ではAspergillus, Penicillium, Eurotium, Wallemia, Cladosporium, Alternariaであり,若干の分布差を認めた。 特異的ではないが両環境で差をみた真菌として飼育環境では,Chaetomium, Arthrinium, Paecilomyces, Trichoderma, Scopulariopsis, Rhizopus, Mucorと菌類が多く,一方非飼育環境では,Wallemia, Curvularia, Alternariaなどであった。 ズーノーシスと関わりのある真菌をみると飼育環境ではAspergills fumigatus, A.flavus, Geotrichum, Scopulariopsis, Microsporum gypseum, Chrysosporium, Fusariumであり,一方非飼育環境では,A.fumigatus, Fusariumであり,明らかに前者で幅広い真菌を認めた。 いままでの調査結果を見る限り,動物飼育環境での真菌は非飼育環境に比べて幅広い分布を示していることがわかった。
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