2002 Fiscal Year Annual Research Report
犬におけるワクチン接種後の副反応としてのアナフィラキシーの原因解析
Project/Area Number |
13660332
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Research Institution | DEPARTMENT OF IMMUNOLOGY, NATIONAL INSTITUTE OF INFECTIOUS DISEASES |
Principal Investigator |
阪口 雅弘 国立感染症研究所, 免疫部, 主任研究官 (20170590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 元 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60163804)
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Keywords | ワクチン / アナフィラキシィー / 副反応 / イヌ / アレルギー性 |
Research Abstract |
犬においてワクチン接種後の副反応としてアナフィラキシーなどワクチン成分に対するアレルギー反応が認められ、獣医学分野で大きな問題となっている。本研究において、このワクチン接種後のアレルギー性副反応の原因アレルゲンを検討した。 12種類の市販の犬用混合ワクチン中に含まれる牛血清アルブミン(BSA)をサンドイッチELSIA法で測定したところ、高濃度(60μg-5mg/dose)のBSAがこれらのワクチンに含まれることを見いだした。このBSAは、ワクチン中のウイルスやレプトスピラを生産するときの培養液中の牛胎児血清(FCS)やBSA等の混入と考えられた。 次にワクチン接種後のアナフィラキシーなどのアレルギー反応を起こした10頭の犬においてワクチンに対するIgE抗体を蛍光ELISA法で調べたところ、10頭中8頭で血清中のワクチンに対するIgEが認められた。また、陰性対照としてのワクチン接種後、副反応が何も無かった犬50頭において、血清中のワクチンに対するIgEを測定したところ、ワクチン特異的IgEは認められなかった。 さらに、これらのワクチンに対するIgE抗体が認められた8頭においてワクチンに安定剤として含まれるゼラチンや混入しているFCSに対するIgEを測定したところ、全例でIgEが認められた。これらの結果より、犬のワクチン接種後のアナフィラキシー等の原因アレルゲンはワクチンに含まれるFCS成分や安定剤(ゼラチン)であることを明らかになった。
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[Publications] Hori H, et al.: "Analysis of major epitope of α2 chain of bovine type I collagen in children with bovine gelatin allergy"J Allergy Clin Immunol. 110. 652-657 (2002)
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[Publications] Sakaguchi M, et al.: "Analysis of HLA in children with gelatin allergy"Tissue Antigens. 59. 412-416 (2002)
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[Publications] Ohmori K, et al.: "A retrospective study on adverse reactions to canine vaccines in Japan"J Vet Med Sci. 64. 851-853 (2002)