2002 Fiscal Year Annual Research Report
外因性内分泌攪乱物質の検索法およびその生体内蓄積の制御に関する研究
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13660334
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Research Institution | IBARAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
青柳 陽介 茨城大学, 農学部, 助教授 (10210999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 啓介 独立行政人農業技術研究機構, 畜産草地研究所, 研究員
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Keywords | 外因性内分泌撹乱物質 / ニワトリオス / ビテロゲニン / 霞ヶ浦 |
Research Abstract |
ニワトリオス個体およびオス由来の初代培養肝細胞を用い、外因性内分泌攪乱化学物質の検索法の確立を試みた。本検索法は指標として卵生動物であるニワトリのメス肝臓で特異的に発現する卵黄タンパク質であるビテロゲニンを用い、rt-PCR法でビテロゲニン発現の有無を確認した。なお、外因性内分泌攪乱化学物質は、その多くがエストロゲン様作用を有するとされ、エストロゲン存在下ではニワトリオスの肝臓でもビテロゲニンが発現する。 個体を用いた系ではその検出感度が、1kg体重あたり約1μmolであった。実際ニワトリオス個体を用いた系で、霞ケ浦湖水の外因性内分泌攪乱化学物質による汚染調査を行った。滅菌した霞ヶ浦湖水を飲水および皮下注射により投与したが、ビテロゲニンの発現は確認できなかった。この系の検出感度は上記の通りであり、今後投与方法等改善の余地があると考えられたが、産卵鶏オスを用いることで非常に安価な方法であり、飼料の安全性の評価等に有力な方法であると考えられた。 オス由来の初代培養肝細胞の無血清培養は本研究期間以前に着手しており、平成13年度にはほぼ満足な培養を行うことができた。肝細胞を用いた系でエストロゲンの影響について調査したところ、培地に何も添加していない区でもビテロゲニンの発現が確認された。このノイズを除去するために、培養容器を合成樹脂製からガラスに変更したり、培地添加物について種種の検討を加えたが、未だ再現性の高い系とするまでには至っていない。固体を用いた系より感度的には優れていると考えられるので、更なる改良が必要であると考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Sasaki, Y.Kitaguchi, K.Koga, R.Narita, t.Fukuda, Y.aoyagi: "Dehydroascorbic acid reduction inseveral tissues and cultured hepatocytes of the chicken"Biosci, Biotechnol. Biochem.. 65・10. 2288-2290 (2001)