2002 Fiscal Year Annual Research Report
生分解性セルロースアセテートプラスチックの調製と繊維および発泡体への応用
Project/Area Number |
13660335
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
吉岡 まり子 京都大学, 農学研究科, 講師 (30220594)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 嘉之 京都大学, 農学研究科, 教授 (00156043)
|
Keywords | セルロースジアセテート / グラフト共重合 / 可塑化 / バイオマス / セルロースエステル / ビニルポリマー / 相溶性 / 繊維 |
Research Abstract |
セルロースジアセテート(CDA)の可塑化についての手法の開発と得られた生成物の特性化について検討を進めると共に、得られた知見を、関連の世界の開発状況を踏まえて位置づけ評価することを意図し、総説にまとめ、国際的に編纂された書籍の一つの章として公表した。また、in-situグラフト共重合によるCDAの可塑化、特に導入側鎖のセルフアッセンブリー性の果たす役割の解明・確認を意図して、グルコース、蔗糖、および、酵素合成アミロースを出発材料とするモデル実験的検討を行い、本研究でのこれまでの論議に対する多くの裏づけを得た。この検討により、現在世界的に関心がもたれているバイオマスからの新規製品開発という分野で十分意味を持つと思われる萌芽的研究課題を見出すという進展性のある成果も得た。他方、高分子を可塑剤として用いようとする研究として、CDAを含むセルロースエステルとビニルポリマーの相溶性についてDSCによる熱分析を中心に検討を行い、セルロースエステルの種類、置換度およびビニルポリマー種といった組み合わせの中で、限られた範囲でのみ相溶性が発現することを確認した。相溶性の発現には、セルロースエステルの水酸基とビニルポリマーの電気陰性度の大きい原子との間の水素結合の生起が可能で、かつ、立体障害による阻害が起こらないこと、およびビニルポリマー側でランダム共重合体中の構成成分間の反発効果に由来する他の成分との相溶化効果等が寄与するということが確認された。他方で、CDA可塑化物の繊維形成能についても基礎的検討が積み上げられ、有用な解析手法が見出されるなど進歩したが、繊維性能そのものは、主鎖が結晶性の高分子には比べ得ないものであることが知られた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Lianzhen Lin: "Liquefaction Mechanism of β-O-4 Lignin Model Compound in the Presence of Phenol under Acid Catalysis, Part 2. Reaction Behavior and Pathways"Holzforschung. 55・6. 625-630 (2001)
-
[Publications] Yoshikuni Teramoto: "Plasticization of Cellulose Diacetate by Graft Copolymerization of ε-Caprolactone and Lactic Acid"Journal of Applied Polymer Science. 84・7. 2621-2628 (2002)
-
[Publications] Y.Miyashita: "Miscibility of Cellulose Acetate with Vinyl Polymers"Cellulose. 9(in press). (2002)
-
[Publications] Y.Nishio: "Salt Addition Effects on Mesophase Structure and Optical Properties of Aqueous Hydroxypropyl Cellulose Solutions"Polymer Journal. 34・3. 149-157 (2002)
-
[Publications] Mariko Yoshioka: "Biopolymers Volume 9"WILEY-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim. 598 (2003)