2001 Fiscal Year Annual Research Report
転写制御因子HESとその受容体Notchによる哺乳類神経分化の制御機構
Project/Area Number |
13670011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石橋 誠 京都大学, 医学研究科, 講師 (30232341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 浩平 京都大学, 医学研究科, 教授 (80109529)
森本 武志 京都大学, 医学研究科, 助手 (00311746)
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Keywords | 転写制御因子 / 神経分化 / HES / Notch |
Research Abstract |
helix-loop-helix型転写制御因子HES1は神経分化を負に制御する因子であり、神経分化が正しく進行するためにはその発現が適切に制御されなければならない。Hes1発現制御のメカニズムを明らかにするため、Hes1遺伝子のプロモーター領域約2kbをlacZ cDNAと融合し、この融合遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを作成した。このトランスジェニックマウスにおけるlacZの発現は内因性のHes1の発現を再現していたので、トランスジーンに含まれるHes1プロモーター領域はHes1発現の正しい制御に十分であることが示唆された。 上記のプロモーター領域はRBP-Jk/CBF-1の結合領域を含んでいる。このタンパクはDNA結合能を有するが、それ自身では標的遺伝子の転写を活性化せず、Notch受容体の細胞内領域と複合体を形成してはじめてその機能を発揮する。従ってHes1遺伝子の発現はNotchシグナリングによって正に制御されていることが示唆された。このプロモーター領域をルシフェラーゼ遺伝子の上流に組み込み、活性型Notchの発現ベクターと共に培養細胞に導入し、ルシフェラーゼアッセイを行った。ルシフェラーゼの活性は対照に比べ、50-100倍に上昇しており、NotchによるHes1の正の制御を支持する結果となった。
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