2002 Fiscal Year Annual Research Report
粘液層のダイナミクス-高圧凍結技法による胃粘液流動動態の組織化学的解析
Project/Area Number |
13670019
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Research Institution | Miyazaki Medical College |
Principal Investigator |
菅沼 龍夫 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (60115350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井手 惣幸 宮崎医科大学, 医学部, 教務職員 (20244212)
生沼 勉 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20168842)
川野 純一 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (10136822)
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Keywords | 高圧凍結技法 / ラット胃底腺 / 粘液 / 漿液 / 主細胞 / 副細胞 / 電顕組織化学 |
Research Abstract |
高圧凍結技法を駆使することにより、これまで形態学的アプローチが困難であった胃底腺における粘液・漿液の分泌・流動動態を電顕レベルで組織化学的に可視化することに成功した(J Histochem Cytchem 50:223-234,2002)。本研究では1)胃底腺主細胞から分泌される漿液は開口分泌時から腺腔内で周囲を取り巻く副細胞型粘液と界面構造を保ったまま、拡散することなく滴状となって胃底腺上部へと流れていること、2)一方、副細胞型粘液は胃底腺峡部から胃小窩にかけて胃小窩深部の粘液細胞から分泌されるスルフォムチンと合流し、表層粘液細胞が分泌する表層型粘液とは界面構造を保ったまま、副細胞型粘液が主体となったチャンネル構造を形成していること、3)腺底部では副細胞型粘液とは界面構造を形成していた主細胞からの漿液は峡部に達する頃になると副細胞型粘液のチャンネルに合流していくこと、4)粘膜表面では、表層型粘液とスルフォムチンを含む副細胞型粘液とがそれぞれが交互に層状に積み重なって、粘液ゲル層を形成していることが判明した。さらに、主細胞が分泌しているフォスフォリパーゼA2が開口分泌後は直ちに粘液部分へと拡散するのに対し、フォスフォリパーゼCγ1は開口分泌後でも漿液部分に留まっていることも確認された。また、粘液分泌を亢進させる試薬、テプレノンやロキサチジンをラットに頻回投与して、粘液の流動動態の変化を追跡中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sawaguchi A., Ishihara K., Kawano J., Oinuma T., Hotta K.., Suganuma T.: "Fluid dynamics of the excretory flow of zymogenic and mucin contents in rat gastric gland processed by high-pressure freezing/freeze substitution"J. Histochem. Cytochem.. 50. 223-234 (2002)
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[Publications] Yuchi H, Suganuma T, Sawaguchi A, Ide S, Kawano J, Aoki T, Kitarnura: "Cryotixation processing is an excellent method to improve the retention of adrenomedullin antigenicity"Histochem. Cell Biol.. 118. 259-265 (2002)
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[Publications] 菅沼龍夫, 澤口朗: "凍結技法における新展開-高圧凍結技法"細胞. 35. 106-109 (2002)
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[Publications] Sawaguchi A, Suganuma T: "Mechanisms and consequences of proton transport"Kluwer Academic Publishers, Boston. 361-364 (2002)