2001 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期におけるpaxillin遺伝子の機能の追究
Project/Area Number |
13670025
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
相磯 貞和 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60138013)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 元之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90255422)
|
Keywords | パキシリン / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
Paxillinは非受容体型のチロシンキナーゼであるfocal adhesion kinase(FAK)と共に細胞基接着斑に局在し、インテグリンを介した細胞情報伝達系の基本的構成要素と考えられる。インテグリンが細胞外マトリックスと結合することにより、paxillinとFAKは協調的にチロシンリン酸化される.この協調的なチロシンリン酸化は、focal adhesionの形成、actin stress fiberの構築などに関わっている。Paxillinは胎児発生においてチロシンリン酸化され、このことを通じて器官形成に関与していることが示唆されている。 我々はXenopus laevis(X.laevis)の卵からpaxillin cDNAを単離し、両生類にもこの遺伝子が存在することを証明するとともに、他種のpaxillinとの比較を行い、その特徴的な一時構造を明らかとした.更に我々は、卵細胞にpaxillinのmRNAが存在することから、受精前の卵細胞にはその後の発生に備え、母性由来のmRNAが蓄積されていることが示唆されること、また、体細胞分裂周期において、paxillinタンパク質の発現はS期に増加することも、これまでの研究で我々は明らかとしてきた。 特に本年度はGST-paxillinの融合蛋白質を作製し、それに対するポリクローナル抗体を得た。この抗体を用い、A6細胞の細胞質分画、核分画を電気泳動し、Western blot analysisを行った。その結果、抗paxillin抗体によって認識されるパンドが核分画の59kDaの部位に存在することが明らかとなった。更に、A6細胞での局在を免疫組織化学的に染色すると、細胞質周辺のみならず、核にも陽性反応が認められた. 以上より、上記の如くFAKと共に細胞基接着斑に局在していると信じられていたpaxillinは、核内にも存在することが示され、その意義については今後細胞周期との関連についてさらに詳細に検索する予定である。
|
Research Products
(1 results)