2001 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス因子の分子ターゲットとしての細胞防御塩素イオンチャネル
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13670038
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
酒井 秀紀 富山医科薬科大学, 薬学部, 助教授 (60242509)
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Keywords | 胃酸分泌細胞 / 塩素イオン / イオンチャネル / インターロイキン / 活性酸素 / GTP結合蛋白質 / 細胞防御機構 / CLC |
Research Abstract |
本研究では、胃酸分泌細胞の基底側膜に存在する細胞防御塩素イオンチャネル(Cl^-チャネル)の分子実体、およびストレス因子によるCl^-チャネルの調節機構を明らかにするため、生化学的、分子生物学的、電気生理学的研究を行い、以下のような新しい知見を得た。 1. ウサギ胃酸分泌細胞の細胞防御Cl^-チャネルはインターロイキン-1βによる活性酸素(O_2^-)産生により抑制されるが、この機構に百日咳毒素非感受性GTP結合蛋白質のG_<13>が介在していることがわかった。G_<α13>のmRNAは、胃粘膜のなかでも特に胃酸分泌細胞に高発現していた。 2. 細胞防御Cl^-チャネルの分子実体が、CLCA1である可能性について検討した。まず、ウサギCLCA1を気道上皮より新たにクローニングした。ウサギ胃酸分泌細胞の細胞防御Cl^-チャネルは、細胞内Ca^<2+>上昇によって活性化されるという点でCLCA1と類似した性質を示したものの、胃酸分泌細胞より調製したpolyA^+RNAにおいて、CLCA1遺伝子は有意に発現していなかった。したがってCLCA1は細胞防御Cl^-チャネルを構成する分子ではないと考えられた。 3. CLC-5チャネルの胃酸分泌細胞における分布を、特異的抗体を用いて検討した。ブタおよびウサギ胃粘膜切片の蛍光抗体二重染色で、CLC-5蛋白質は、Na^+,K^+-ATPaseの分布とは異なり、H^+,K^+-ATPaseとほぼ一致した分布を示した。胃酸分泌細胞ホモジネートより調製した各画分に対するイムノブロツトにおいてもCLC-5は、H^+,K^+-ATPaseと同様の分布パターンを示した。これまでCLC-5が胃酸分泌細胞に発現していることは報告されていなかった。CLC-5が細胞防御Cl^-チャネルである可能性は低いものの、胃酸分泌細胞の機能維持に重要な蛋白質であることが示唆される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hideki Sakai, Masashi Ukai, Akira Ikari, et al.: "Is rabbit CLCA1 related to the basolateral Ca^<2+>-dependent Cl^- channel of gastric parietal cells?"Japanese Journal of Physiology. 51巻1号. 121-125 (2001)
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[Publications] Hideki Sakai, Takahiro Shimizu, Katsuhito Hori, et al.: "Molecular and Pharmacological properties of inwardly rectifying K^+ channels of human lung cancer cells"European Journal of Pharmacology. 435巻2-3号. 125-133 (2002)
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[Publications] 酒井 秀紀: "新規の2回膜貫通型アミロライド感受性カチオンチャネル"腎と透析. 50巻3号. 389-394 (2001)
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[Publications] 酒井 秀紀: "「疾病と病態生理」 1消化器疾患A.消化管系3.大腸炎,6.痔疾患"橋本隆男、佐藤隆司、豊島聰編、南江堂. 360 (2001)