2002 Fiscal Year Annual Research Report
痛覚特異的ナトリウムチャネル欠損マウスを用いた神経因性疼痛の発症機序の解析
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13670043
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
緒方 宣邦 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80091255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 康司 通産省工業技術院生命工学工業技術研究所, 生体機能制御研究室, 主任研究官
寺西 泰弘 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40112198)
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Keywords | ナトリウムチャネル / 後根神経節 / テトロドトキシン / チャネルコンダクタンス / 膜電位固定法 / パッチクランプ法 |
Research Abstract |
NaV1.8-null mutantマウス後根神経節より単離培養した30μm以上のmedium/largeDRG細胞に対し、whole-cell patch clamp techniqueを用いて電流記録を行った。medium/largeDRG細胞においてはTTX-sensitive/fast Na電流に加え、電流値としては小さいが、非常にゆっくりとした活性化および不活性化を示すpersistent Na電流が観察された。これにはtetrodotoxin(TTX)にsensitiveなものとresistantなものが存在した。両者とも活性化閾値は約-60mVで、TTX-sensitive/fast Na電流よりも約20mV過分極側にシフトしていた。これまでの報告からTTX-resistant/persistent Na電流はNaV1.9に由来すると考えられ、TTX-sensitive/persistent Na電流の由来は不明である。文献的考察からはNaV1.6の可能性が考えられ、電流記録を行った細胞からsingle cell RT-PCRによるmRNA発現を解析した。しかしTTX-sensitive/persistent Na電流が認められた細胞のうち、Nav1.6のmRNAの発現がみられたものは65%に留まり、有意なものとはいえず、TTX-sensitive/persistent Na電流の由来を断定するには至らなかった。この電流はNaV1.9と同様静止膜電位付近に活性化閾値を有しでおり、活動電位を主に担っていると考えられるTTX-sensitive/fast Na電流を調節することで、DR胞の興奮に強い影響をもたらしていると考えられた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ogata, N.: "Molecular diversity of structure and function of the voltage-gated Na+ channels"Jap. J. Pharmacol.. 88. 1-13 (2002)
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[Publications] Ogata, N.: "New perspectives on the structure and function of the sodium channel multigene family"Curr. Med. Chem.. 2. 59-81 (2002)
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[Publications] 緒方宣邦: "痛覚伝導における電位依存性ナトリウムチャネルの新しい役割 持続性Na電流の細胞特異的発言とその機能"ペインクリニック. 23. 1245-1257 (2002)
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[Publications] 緒方宣邦: "ナトリウムチャネルと痛み-後根神経節における持続型ナトリウムチャネル-"脳21. 6. 22-33 (2002)
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[Publications] 緒方宣邦: "テトロドトキシン非感受性ナトリウムチャネルの痛覚制御機構における役割"日本ペインクリニック学会誌. 10. 1-12 (2003)
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[Publications] Ohishi, Y.: "Use-dependent unblocking of the transient K+ current by 4-aminopyridine in rat dorsal root ganglia"J. Pharmacol. Sci.. (in press). (2003)
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[Publications] 赤池紀扶: "脳機能の解明「生命科学の主潮流」"ガイア出版会. 571 (2003)