2002 Fiscal Year Annual Research Report
副腎髄質細胞におけるNaポンプとIP3受容体との形態的・機能的連関
Project/Area Number |
13670050
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
井上 真澄 福岡大学, 医学部, 助教授 (40223276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 浩一 福岡大学, 医学部, 助教授 (60078780)
藤城 直二 福岡大学, 医学部, 助手 (30173420)
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Keywords | 副腎髄質細胞 / Ca貯蔵部位 / Naポンプ / αサブユニット / Ca取り込み / IP3受容体 / カテコールアミン / 分泌 |
Research Abstract |
ラット副腎髄質細胞をコラーゲナーゼ処理により単離し、2%パラホルムアルデヒドにより固定した。IP3受容体タイプ1,タイプ2,及びタイプ3に対する特異的抗体で適当な時間処理し、その後FITC結合二次抗体で処理した。これら3つのアイソフォウムの中でタイプ2抗体のみに明瞭な免疫反応が、核周囲と細胞辺縁に観察された。このIP3受容体タイプ2様免疫反応物質の分布は、IP3に蛍光物質を結合させた蛍光IP3の結合の分布とほぼ一致した。副腎髄質の粗膜分画のイムノブロットにおいて、タイプ2抗体は約230kDaの蛋白を認識した。一方、タイプ1抗体は脳の粗膜分画のイムノブロットでは、約250kDaの蛋白を認識したが、副腎髄質の標本では認識したかった。同様に、タイプ3抗体は、膵臓の粗膜分画のイムノブロットでは約250kDaの蛋白を認識したが、副腎髄質の標本では認識しなかった。これらの結果は、副腎髄質細胞には主にIP3受容体タイプ2が核近傍と細胞辺縁に存在することを示している。次に、Naポンプのα1、α2、及びα3サブユニットに対する特異的抗体を用いて同様に免疫細胞化学及びイムノブロットを行った。約110kDaのα1サブユニットは細胞膜の全周囲にわたって分布したが、α2は細胞膜の一部にしか分布せず、α3は存在しなかった。IP3受容体とNaポンプα2サブユニットの形態的連関を二重染色法により調べると、細胞膜のα2様免疫反応物質の近傍に細胞辺縁の蛍光IP3物質の結合部位が存在した。これらの結果は、α2NaポンプがIP3受容体の分布する細胞膜直下のCaストアへのCaイオンの取り込みに密接に関与していることを示唆している。
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Research Products
(1 results)