2001 Fiscal Year Annual Research Report
エストロジェンの細胞増殖に対する作用の促進から抑制への逆転機構
Project/Area Number |
13670058
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
有田 順 山梨医科大学, 医学部, 教授 (80128587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嶋 健吾 山梨医科大学, 医学部, 助手 (70324184)
山川 耕司 山梨医科大学, 医学部, 助手 (90293472)
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Keywords | エストロジェン / 細胞増殖 / プロラクチン / 下垂体前葉 / インスリン / 成長因子 |
Research Abstract |
同じエストロジェン感受性細胞内においてエストロジェンによる増殖促進機構と抑制機構の両者が存在し、どちらかの機構が発現されるかは細胞状況によって決定されるという仮説を検証するために、本年度においてプロラクチン産生細胞(PRL)細胞の初代培養系において、エストロジェンの増殖抑制作用を調べた。 1 エストラジオール(E2)がPRL細胞の増殖を促進するのに96時間以上要したのに対して、インスリンによる増殖促進を抑制するのには12時間で充分であった。この増殖促進作用は8pMのED_<50>で現れたのに対して、抑制作用のED_<50>は促進作用の約10倍の85pMであった。 2 E2の増殖抑制活性を100とすると、弱いエストロジェン活性を持つestroneの活性は約10、異性体の17-α E2は約6であり、一方testosterone, progesterone, hydroxyflutamide, RU486等の他のステロイドおよびその阻害剤は増殖抑制活性を全く持たなかったことから、増殖抑制作用はエストロジェンに特異的であることが示された。 3 E2の増殖抑制作用は、増殖促進作用と同様に、エストロジェン受容体阻害剤のhydroxytamoxifen及びICI182, 780によって消失したことから、エストロジェン受容体を介するものであることが示された。 4 E2はインスリンによる増殖だけではなくinsulin-like growth factor-1による増殖も抑制したが、血清による増殖およびforskolin/isobutylmethylxanthineによるcyclic AMP誘発性増殖を逆に促進したことから、増殖抑制作用は増殖レベル依存性ではなく増殖刺激依存性であることが示された。
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Research Products
(1 results)