2001 Fiscal Year Annual Research Report
能動的皮膚血管拡張と発汗の相互連関の神経機序と血管拡張性ペプチドとNOの役割
Project/Area Number |
13670073
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
松本 孝朗 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (60199875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 雅子 愛知医科大学, 医学部, 助手 (70308956)
西村 直記 愛知医科大学, 医学部, 助手 (40278362)
菅屋 潤壹 愛知医科大学, 医学部, 教授 (50109352)
西山 哲成 日本体育大学, 体育学部, 助教授 (40257697)
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Keywords | 体温調節 / 発汗 / 皮膚血流 / 血管拡張性ペプチド / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
暑熱下でのヒトの体温調節に主要な役割を果たす「能動的皮膚血管拡張反応」と「発汗反応」の相互連関の神経機序におけるメディエータの候補として想定されている血管拡張性ペプチドであるvasoactive intestinal polypeptide(VIP)、calcitonin gene-related peptide(CGRP)および一酸化窒素(NO)の意義を解明することが本研究の目的である。初年度はヒトの軸索反射性発汗に伴って見られる皮膚血管拡張反応の神経機序(血管拡張性ペプチドの意義)について検討を行なった。被検者の前腕屈側部に発汗カプセル(容量式湿度計-換気カプセル法)と皮膚血流プローブ(レーザードップラー血流計)を装着し、薬液が測定部に直接浸潤しないようにゴムバンドで縛り、ゴムバンドの末梢側の皮内にニコチン(10^<-4>g/ml、0.1ml)を投与した。ニコチンの投与により軸索反射性発汗が生じるとともに皮膚血流の増加が見られ、発汗量と血流量の変化は時間的によく平行推移した。また、レーザードップラー血流イメージ装置で見た皮膚血管拡張の範囲と呈色反応にて可視化した軸索反射性発汗発現範囲とはほぼ一致した。局所へのアトロピン(10^<-7>g/ml、0.2ml)の前投与によって、軸索反射性発汗は阻止されたが、皮膚血流増加反応は影響を受けなかった。以上の結果より、軸索反射性発汗においても、発汗に伴い皮膚血管拡張反応が見られ、この反応はアトロピンでムスカリン受容体をブロックしても見られる事より交感神経節後線維から分泌されるアセチルコリンそのものではなく、アセチルコリンと共分泌されると考えられている血管拡張性ペプチドによるものであることが示唆された。今後、動物発汗モデルと血管拡張性ペプチドの選択的阻害剤を組合せた薬理学的手法により研究を進めたい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nishiyama T, Sugenoya J, Matsumoto T, et al.: "Irregular activation of individual sweat glands in human sole observed by a videomicroscopy"Autonomic Neuroscience : Basic and Clinical. 88. 117-126 (2001)
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[Publications] Kato M, Sugenoya J, Matsumoto T, et al.: "The effects of facial fanning on thermal comfort sensation during hyperthermia"Pflugers Arch Eur J Physiol. 443. 175-179 (2001)
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[Publications] Othman T, Goto S, Lee JB, Matsumoto T, Kosaka M.: "Hyperthermia enhancement of the apoptotic and antiproliferative activities of paclitaxel"Pharmacol. 62(4). 208-212 (2001)
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[Publications] 西村直記, 松本孝朗, 他: "発汗活動と皮膚血流反応との関係-軸索反射性発汗における検討-"発汗学. 8(1). 26-29 (2001)
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[Publications] Matsumoto T, et al.: "Endocrine responses to heat and cold stress. In Thermotherapy for Neoplasia, Inflamation, and Pain. ed by Kosaka M, et al."Springer-Verlag, Tokyo. 228-241 (2001)