2002 Fiscal Year Annual Research Report
飲水にともなう一過性血液濃縮反応の発現機序について
Project/Area Number |
13670074
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health |
Principal Investigator |
遠藤 豊 産業医科大学, 医学部, 講師 (90194050)
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Keywords | 飲水 / 昇圧 / 心拍 / 筋交感神経活動 / 水温 / 皮膚血流 / ヒト |
Research Abstract |
飲水中の血圧上昇反応はヒトで観察されるが、その機序については不明である。昇圧反応を引き起こす因子として、飲水にともなう口腔-咽頭領域からの感覚入力、呼吸、嚥下に関する因子あるいは食道や胃の拡張刺激などが考えられる。そこで今年度は胃の因子を検討するために胃チューブを介し経胃的に500mlの水を飲水と同じ速度(500ml/2min)で注入し、血圧、心拍数、筋交感神経活動(MSNA)の変化を測定した。さらに飲む水の温度を変えたときの血圧、心拍、皮膚血流への影響も検討した。水温はこれまでの実験で用いた25℃に加え、5℃、37℃、50℃を用いた。 1)経口飲水負荷により平均血圧(+12.6±2.1mmHg)、心拍数(+19.9±1.7beats/min)はいずれも有意に上昇したが、直接胃内への水負荷では有意な変化は観察されなかった。 2)飲水負荷によりMSNAは有意に減少したが(Burst rate,-6.1±1.7bursts/min ; Total activity,-2161±642 U/min)、直接胃内への水負荷では有意な変化は観察されなかった。 3)いずれの水温でも飲水にともない有意な血圧上昇および心拍数増加反応が観察されたが、血圧の上昇の程度は水温に依存し、37℃で最低、5℃で最大の上昇反応が認められたのに対し、心拍数の反応については温度依存性の傾向は観察されなかった。前腕および下腿の皮膚血流の変化については温度依存性の傾向が認められ、特に5℃で減少、50℃で顕著な増加反応が認められた。 以上より、飲水に伴う血圧上昇には少なくとも胃の拡張刺激を含めた胃の因子は関与しないこと、また飲水にともなう昇圧の程度は水温に依存すること、この際観察される皮膚血流の変化も水温依存性の傾向が認められることが明らかにされた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Tsutsui, S.Sagawa, K.Yamauchi, Y.Endo, F.Yamazaki, K.Shiraki: "Cardiovascular responses to lower body negative pressure in the elderly"Gerontology. 48. 133-139 (2002)
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[Publications] Y.Endo, K.Yamauchi, Y.Tsutsui, Z.Ishihara, F.Yamazaki, S.Sagawa, K.Shiraki: "Changes in blood pressure and sympathetic nerve activity during water drinking in humans"Japanese Journal of Physiology. 52. 421-427 (2002)
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[Publications] F.Yamazaki, K.Yamauchi, Y.Tsutsui, Y.Endo, S.Sagawa, K.Shiraki: "Whole body heating reduces the baroreflex response of sympathetic nerve activity during Valsalva straining"Autonomic Neuroscience ; Basic and Clinical. 103. 93-99 (2003)