2002 Fiscal Year Annual Research Report
心臓機能の発達変化および種差に関する研究:心内膜内皮細胞の機能的役割とマウス心筋の特殊性の解析
Project/Area Number |
13670100
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
重信 弘毅 東邦大学, 薬学部, 教授 (50012654)
|
Keywords | マウス心筋 / 活動電位 / α-作用 / Na+,Ca2+-交換反応 / 変力作用 / 心内膜内皮細胞 / プロスタグランジン |
Research Abstract |
マウス心筋の特殊性に関して前年度に引き続き研究を行い、本年度は下記のような成果が得られた。 1)α受容体刺激による陰性変力反応の機序がNa+,Ca2+-交換電流(NCX電流)の促進にあることを引き続き検討すると共に、自身で開発した選択的NCX阻害薬のSEA0400を用いた研究を行い、この結論を確実なものとし、論文として公表した(裏面研究発表リスト参照)。 2)マウス心筋収縮力に対する各種薬物の作用を検討したところ、4-aminopyridine(4-AP),ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬、リアノジン、などの作用に、他の動物種とは異なる特殊性が認められることを見出した。さらにそれらの特殊性が、マウス心筋の活動電位の特殊性と高度にSRに依存している収縮機能の特殊性から説明可能であることを考察した(裏面研究発表リスト参照)。 3)これまで続けてきた研究の中間的集大成として、モルモット心筋に理論的処置を加えることによってマウス心筋と同様な特殊性を持たせることが可能かどうかの検討に力を注ぎ、一応の成功をみた。即ち、a)カリウムチャネル開口薬のクロマカリムで活動電位持続時間を短縮させるb)DMA(dimethylamiloride)によりNa+/H+exchangerを抑制して細胞内をアルカリ化させるc)ウアバインによりNaポンプを抑制して細胞内ナトリウム濃度を上昇させるという処置によりモルモット心筋の特性をマウスのそれと同等のものに変化させることが出来た。そして、この処置によりマウスと同等の特殊性を獲得したモルモット心筋はα受容体刺激に対して陰性の変力反応を示すことも確認することが出来た。更には、この陰性変力反応は、マウスの場合と同様にSEA0400によって拮抗されることも確認できた。種差の普遍化へ向けての第一歩が踏み出せたと考えている。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Nishimaru, K., Shigenobu, K.: "A Adrenoceptor stimulation -mediated negative inotropism and enhanced Na+/Ca2+ exchange in mouse ventricle"American Journal of Physiology. 280. H132-H141 (2001)
-
[Publications] Nishimaru, K., Shigenobu, K.: "Pharmacologicl properties of Excitation-contraction mechanisms in isolated mouse Left atria"Pharmacology. 62. 87-91 (2001)