2002 Fiscal Year Annual Research Report
セマフォリン・プレキシン情報伝達系とLAR型チロシンホスファターゼの相互作用
Project/Area Number |
13670128
|
Research Institution | Yokohama City University, School of Medicine |
Principal Investigator |
中村 史雄 横浜市立大学, 医学部, 講師 (10262023)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 顕一 横浜市立大学, 医学部, 助手 (20326028)
佐々木 幸生 横浜市立大学, 医学部, 講師 (10295511)
|
Keywords | チロシンホスファターゼ / セマフォリン / プレキシン / 神経回路形成 / 細胞内情報伝達 / チロシンリン酸化 |
Research Abstract |
Plexin-A4に会合するチロシンリン酸化タンパク質の検討:mycエピトープを付加したPlexin-A4をラット胚17日齢初代大脳皮質培養神経細胞に発現させ、抗myc抗体により免疫沈降した。100kDaのタンパク質がPlexin-A4に会合し、Sema3A刺激後にチロシンリン酸化された。Sema3C刺激でも同様の変化が認められた。このリン酸化は一過性であり、Sema3A/3C刺激後数分でピークに達し、その後速やかに減弱する。現在、100kDa分子の同定を行っているが、回収されるタンパク質量が少なく未だ同定に至っていない。Plexin-Aの情報伝達に関与するFESやFYNはPlexin-A4に会合していたが、100kDaとは異なる大きさを示した。 PTPδに会合するチロシンリン酸化タンパク質の検討:ニワトリあるいはマウス初代大脳培養神経細胞から抗PTPδD2領域抗体を用いてPTPδを含むLAR型PTPを免疫沈降した。その結果、100kDaチロシンリン酸化タンパク質が免疫共沈していた。このタンパク質はSema3A刺激後に脱リン酸化される傾向にあった。また免疫沈降後にホスファターゼ阻害剤を除き37℃で反応させると100kDaのリン酸化量が減弱したことから、LAR型PTPの基質になると考えられた。Plexin-A4に結合する分子と併せて、この分子の同定を試みている。 PTPδに結合する分子の検索:PTPδのsubstrate trap変異体、及びFYNを用いた酵母ハイブリッド法により、プリン代謝に関与する酵素ADE2(AIRC)を得た。ADE2はFYNと会合しリン酸化されるが、FYNの活性を変化させなかった。現在ADE2がPTPδと結合するかどうか、活性を変化させるかどうかを検討している。またPTPδ細胞外領域をアルカリホスファターゼ(AP)標識した融合タンパク質(APδex)を用い、PTPδの細胞外領域が結合する組織や培養神経細胞に与える影響を検討した。APδexはマウス胚大脳皮質の皮質下領域に結合し、その結合は17日胚で最も顕著であった。またAPδexは同時期のマウス胚大脳皮質培養細胞の突起伸展を促進した。これらのことからPTPδの細胞外領域は皮質神経細胞の突起伸張を制御している可能性が考えられた。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Sasaki Y, Cheng C, Uchida Y et al.: "Fyn and Cdk5 mediate Smaphorin-3A signaling, which is involved in regulation of dendrite orientation in cerebral cortex"Neuron. 35. 907-920 (2002)
-
[Publications] Suto F, Murakami Y, Nakamura F et al.: "Identification and characterization of a novel mouse plexin, plexin-A4"Mechanisms of Development. 120. 385-396 (2003)