2001 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病連関神経細胞死に拮抗する新規分子ヒューマニンの活性構造解析
Project/Area Number |
13670150
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
荒川 淑子 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00327496)
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Keywords | アルツハイマー病 / ヒューマニン / アルツハイマー病拮抗因子 / アルツハイマー病根治薬 |
Research Abstract |
ヒューマニン(HN)が神経や神経系において他の分子と相互作用を起こす時、どのような構造をとっているか、また溶液中でのHNの構造と活性の強さの間に、相関関係があるか等を追跡する目的でHNとその変異体の水及びバッファー(10mMリン酸ナトリウム、0.1MNaCl)中での構造解析を行ってきた。HNの活性を約千倍上げる変異体HNGを見い出していたので、このふたつのペプチドについて、CD(円偏光二色性)及び沈降法により、それらのキャラクタライゼーションをおこなった。 CDによる解析の結果、HNとHNGは、水中で二次構造を有するペプチドであり、バッファー中ではそれらの構造が、水中におけるものとは全く異なり、HNとHNGの間でもその構造は異なるものであった。それらは、anti-parallel beta-sheet構造を取っているようである。HNを同じバッファーで十倍希釈しても、そのCDスペクトラムに変化はなく、構造に変化のない事を示唆している。これらの結果は、HNの14番目のセリンがグリシンにかわることがCDスペクトラムの変化に反映している事を示している。すなわち、一次構造の変化のみならず、その二次構造の変化が活性に大きく影響している事を示唆する結果である。 沈降法による解析の結果、HNがバッファー中では、トライマー以上の会合体が多いのに対して、水中においては、おもに、モノマーとして存在するようである。HNとHNGは、そのバッファー中では、濃度が低くなると、会合体の大きさは減少する。脳に関連した分子、例えばアミロイドやリーレン等は、会合しやすくリーレンは、会合した状態でそのリセプターと結合する事が知られており、今後、HN及びHNGのダイメライゼーションやオリゴメライゼーションが、その生物活性にどのように関連しているかを確かめてゆく。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tajima H., et al.: "Evidence for in vivo production of Humanin peptide, a neuroprotective factor against Alzheimer's disease related insults"Neuroscience Letters. (in press). (2002)
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[Publications] Hashimoto Y, et al: "Neurotoxic mechanisms triggered by Alzheimer's disease-linked mutant M146L presenilin 1 : involvement of NO synthase via a novel pertussis toxin target"Journal of Neurochemistry. 80. 426-437 (2002)
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[Publications] Hashimoto Y, et al: "Detailed characterization of neuroprotection by a rescue factor Humanin against various Alzheimer's disease-relevant insults"Journal of Neuroscience. 21. 9235-9245 (2001)
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[Publications] Matsuda S, et al: "c-Jun N-terminal kinase(JNK)-interacting protein-1b/islet-brain-1 scaffolds Alzheimer's amyloid precursor protein with JNK"Journal of Neuroscience. 21. 6597-6607 (2001)
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[Publications] Niikura T, et al: "Insulin-like growth factor I(IGF-I) protects cells from apoptosis by Alzheimer's V642I mutant amyloid precursor protein through IGF-I receptor in an IGF-binding protein-sensitive manner"Journal of Neuroscience. 21. 1902-1910 (2001)
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[Publications] Hashimoto Y, et al: "A rescue factor abolishing neuronal cell death by a wide spectrum of familial Alzheimer's disease genes and Aβ"Proceedings of National Academy of Science USA. 98. 6336-6341 (2001)