2001 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄異形成症候群におけるDNAメチル化と白血病化に関する研究
Project/Area Number |
13670160
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
黒滝 日出一 弘前大学, 医学部, 助教授 (40215108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木橋 繰六 弘前大学, 医学部, 教授 (40111231)
山岸 晋一朗 弘前大学, 医学部, 助手 (80301026)
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Keywords | 骨髄異形成症候群 / DNAメチル化 / 腫瘍抑制遺伝子 / 急性白血病 / PCR / 免疫組織化学 / マイクロダイセクション |
Research Abstract |
骨髄異形成症候群(MDS)における腫瘍抑制遺伝子不活化と白血病化との関係を明らかにするため,細胞周期を調節するcyclin-dependent kinase抑制系に関与する遺伝子p16を中心にepigeneticな変化であるDNAメチル化について検討を加えた.使用症例はMDS29例(RA 16, RARS 3, RAEB 10),急性骨髄性白血病(AML)23例(MDS-derived AML 10, de novo AML 13),コントロール6例の計58例の骨髄標本を用いた.抗p16抗体を用いた免疫染色では顕微鏡にdigital cameraを設置して,それぞれの画像を多数取り込み検討した.メチル化状態の検索ではDNAを抽出し,sodium bisulfite処理後,methylation specific PCR(MSP)を施行した.p16の陽性率はcontrol 5.87%, RA 1.63%, RARS 2.09%, RAEB 1.68%, MDS-derived AML 8.03%, de novo AML 30.64%であった.MSPでは明らかなunmethylated症例はRA2例,MDS-derived AML2例,de novo AML1例,control2例で,methylated症例はRAEB1例のみであった.他の症例は全てnon-informativeな結果(増幅産物が全く見られない,またはUとMの両方が認められた)が得られた.今回の結果は我々の予測に反し,p16癌抑制遺伝子不活化による細胞増殖促進がMDS白血病化と深く関与している証拠は得られなかった.次年度は研究計画に沿って骨髄前駆細胞をmicrodissectionにより採取し,MDSにおけるp16を中心とした癌抑制遺伝子のメチル化状態を詳細に検索していく予定である.
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