2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経内分泌腫瘍におけるクロマチン再構成複合体因子(hSWI1)変異の解明
Project/Area Number |
13670177
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
竹内 保 高知医科大学, 医学部, 助手 (50226990)
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Keywords | hSWI1 / neuroblastoma / T-cagherin |
Research Abstract |
世界に先駆けてcDNAクローニングに成功したヒトクロマチン再構成因子複合体のhSWI1(SMARCF1)短縮型の変異を神経内分泌腫瘍を含む各種腫瘍で検付した。 共同研究でhSWI1が滑膜肉腫の腫瘍発生メカニズムに関わっていることを明らかにした。すなわち滑膜肉腫でのSSX/SYTキメラ分子の正常な機能を抑制することにより生じることを明らかにした。これはhSWI1が腫瘍抑制因子として機能することを明らかにしたものである。 また、神経内分泌腫瘍(特に神経芽細胞腫)で変異hSWI1はカドヘリンを含む細胞接着因子や細胞骨格タンパク質の発現を変化させることにより浸潤転移につよく関わっていることを明らかにした。同様の機構はヒト無性黒色腫でもみられることを発見した。具体的には新規発見のアクチン結合蛋白質であるskeletrophinの発現を高め、T-ヤドヘリンの発現を抑制することで腫瘍浸潤に強く関与することを明らかになった。更にhSWI1の変異が腫瘍細胞の形態変化に関与することを明らかにした。神経内分泌腫瘍でみられる短縮型hSWI1はARIDと呼ばれるDNA結合領域は保たれるものの、エストロゲン結合領域相同のドメインの内、1つが欠損していることを見出した。これが内分泌腫瘍での腫瘍の自律性獲得ひいては悪性化につながっている可能性があることを指摘した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 竹内保(分担執筆): "神経分子生物学,細胞接着因子の項目"医学大辞典(医学書院). (in press). (2003)
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[Publications] Takeuchi, Tamotsu: "Recent progress in Neurochemistry"Recent Research Developments in Neurochemistry(Research Signpost). (in press). (2003)
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[Publications] Katoh, Hiroyuki: "SYT Associates with Human SNF/SWI Complexes and the C-terminal Region of Its Fusion Partner SSX1 Targets Histones"J.Biol.Chem.. 277. 5498-5505 (2002)
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[Publications] Takeuchi, Tamitsu: "Loss of T-Cadherin (CDH13, H-Cadherin) Expression in Cutaneous Squamous cell Carcinoma"Lab Invest. 82. 1023-1029 (2002)
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[Publications] Takeuchi, Tamitsu: "Down-regulation of expression of a novel cadherin molecule, T-cadherm, in basal cell carcinoma"Mol.Carcinogenesis. 35. 173-179 (2002)