2001 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍構成細胞の発生起源同定と腫瘍化分子病理機構の解明-腎血管筋脂肪腫における解析-
Project/Area Number |
13670179
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
林 徳眞吉 長崎大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20253651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
大津留 晶 長崎大学, 医学部, 助手 (00233198)
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Keywords | 腎血管筋脂肪腫 / HUMARA遺伝子 / Microdissection / モノクロナリティー / シークエンサー / フラグメント解析 |
Research Abstract |
病理組織からMicrodissectionを行うため,共同研究者の施設に設置されているLM200を用い,病理組織の条件および手技を検討し,狙った部分から組織を採取出来る条件を検討した. Microdissectionによって得られた組織よりDNAを抽出し,安定的にDNAを抽出出来る条件を整えた. これまでに報告された論文に準じてプライマーの塩基配列を設計し,抽出されたDNAを用いて至適条件を検討した.これまでの報告通りの条件でうまく遺伝子を増幅出来なかったため5'側のプライマーを変更し,増幅される遺伝子が20塩基対短いものに設計し直し,これにて条件を検討した.検討を続けた結果,プライマーの設計と遺伝子増幅の条件は決定できた. ストックされていた白人および日本人女性の正常部のDNAを用い,検討した条件でHUMARA遺伝子の増幅を行ったところ,白人女性2検体はポリアクリルアミドゲルにより判別可能な塩基対の長さの差であった.ところが,日本人女性5検体では,3検体は判別可能であったが,残る2検体は塩基対の長さの差が小さく,ポリアクリルアミドゲルで判別出来ないことがわかった. 塩基配列の差が小さい症例の判別のため,共同研究者の施設に設置された遺伝子シークェンサーを用いて,塩基対の解析ではなく,遺伝子増幅産物のフラグメント長の差を検索する準備を行った.蛍光標識されたプライマーを用い,バクテリオファージの遺伝子を用いてサンプルDNAの増幅を行い,シークェンサーにかけて解析にかけた.検体の濃度が問題であるが,この実験により2倍から8倍までの濃度で観察可能であった.Microdissectionのサンプルは微量であるが,増幅産物のこの範囲の希釈によって判別が可能になるものと思われた. 基礎となる条件設定は全て整ったため,最終目的である腎血管筋脂肪腫の各種成分についての解析を開始する.
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