2002 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍構成細胞の発生起源同定と腫瘍化分子病理機構の解明-腎血管筋脂肪腫における解析-
Project/Area Number |
13670179
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
林 徳眞吉 長崎大学, 医学部附属病院, 助教授 (20253651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
大津留 晶 長崎大学, 医学部, 助手 (00233198)
安倍 邦子 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (00253641)
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Keywords | 腎血管筋脂肪腫 / HUMARA遺伝子 / Microdissection / モノクロナリティー / シークエンサー / フラグメント解析 |
Research Abstract |
腎血管筋脂肪腫において観察される各種の血管構造を,その構造別に大型の筋性動脈,小型の筋性動脈,筋性静脈,毛細血管およびstaghorm型/sinusoid型血管に分類し,その形態を整理した. 増殖性の平滑筋細胞(nVSMC)が同心円状に増殖し集簇性の血管形成を示す部分の形態を解析し,その病理組織学的分析から,既存の動脈組織にnVSMCが浸潤している可能性を示唆する所見を得た. 日本人女性の場合,HUMARA遺伝子の解析のためには,アガロースゲルやポリアクリルアミドゲルでは,解析に困難を来すことを発見し,共同研究者の施設に設置されている遺伝子シークエンサー日立SQ5500を用いる環境を整備した. HUMARA遺伝子の多型性はCAGの三塩基対のリピート数の違いであり,最低の差で三塩基対であるが,実際の検体より採取したDNAを日立SQ5500で解析し,三塩基対の差も解析できる手法を確立した. 共同研究者の施設に設置されたLM200 Microdissection顕微鏡を運用して,病理標本プレパラートから狙った部分を正確にサンプリングするのであるが,うまく組織が採取されなかったり,採取されてもDNA増幅がうまくいかない問題があった.この問題を解決するため病理組織標本の前処理の手技の再検討,DNA抽出酵素に使うキットおよび抽出後のPCRに至る検体処理の方法の見直しを行い,microdissectionによる細胞採取,DNA増幅の確実性を増すプロトコールを確立し,研究対象となる腎血管筋脂肪腫の血管成分およびnVSMCをmicrodissectionにより別個にサンプリングし,DNAを抽出・PCRによる解析を行った.
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