2001 Fiscal Year Annual Research Report
CD5陽性びまん性大細胞型Bリンパ腫の腫瘍発生と病態の解明
Project/Area Number |
13670183
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
中村 直哉 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50227922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田崎 和洋 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70244382)
小野 伸高 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (80233584)
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Keywords | Diffuse large B-cell lymphoma / CD5 / immunoglobulin heavy chain gene / somatic mutation / immunohistochemistry / CD27 |
Research Abstract |
<目的> CD5陽性びまん性大細胞型リンパ腫(CD5^+ DLBCL)の組織発生、特にCD5^+ DLBCLはCD5^-DLBCLと同様に胚中心由来なのか否かを免疫グロブリン遺伝子可変領域(VH遺伝子)および免疫組織化学的に検討した。 <結果> 1)VH遺伝子のsomatic mutation 現在まで23症例についてVH遺伝子を解析できた。somatic mutationの頻度は0-17.2%、平均6.2%を示したが、5%を境界として(1)germlineもしくは低頻度のmutationを示すもの(Low群)と(2)高い頻度のmutation (somatic hypermutation)を示すもの(High群)に分けることが出来た。Low群は12例、somatic mutationの頻度は0-3.4%平均1.7%、VH family usageはVH1:1例,VH2:1例,VH3:8例,VH4:2例であった。これに対して(2)High群は13例、5.6-17.2%平均11.1%、VH family usageはVH3:5例,VH4:6例であった。R/S比はLow群はCDR領域3.5、FW領域1.5、High群はCDR領域1.96、FW領域1.34を示した。すなわち、Low群とHigh群ではVH遺伝子の性状は異なっており、約10%に平均値を示して一峰性分布を示すCD5^-DLBCLとは異なっていた。 2)免疫組織学的検討 CD27,CD38,CD148について検討した。これらの抗原はいずれもmemory B細胞やactivated B細胞との関連性を報告されているが、Low群とは異なりHigh群では3つの抗原のうち2種以上の抗原が陽性になる症例が認められた。一方、CD5^-DLBCLは2種以上の抗原が陽性になる症例が多かった。 <これまでの結果からの考察> 以上からCD5^+ DLBCLの約半数を占めるLow群は胚中心を経由していないCD5^+ nalve B細胞から腫瘍化した可能性があり、CD5^+ B細胞の独自性とCD5^+ DLBCLとCD5^+ B-CLLの類似性を示唆する所見と考えられる。High群に所属するCD5^+ DLBCLについては抗原刺激を受けたCD5^+ B細胞から発生する可能性がある。
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