2001 Fiscal Year Annual Research Report
CYBB転写異常型慢性肉芽腫症におけるインターフェロンγ著効機序の解析
Project/Area Number |
13670220
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
熊取 厚志 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (60244092)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 章一 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (40253695)
|
Keywords | gp91phox / CYBB / シトクロムb558 / インターフェロンγ / STAT-1 / IRF-1 |
Research Abstract |
殺菌による生体防御に必須な因子である食細胞NADPHオキシダーゼの主要構成成分であるシトクロムb558重鎖(以下CYBBと略す)の遺伝子上流-53塩基にあるPU.1結合部位(-53PU.1)の点変異による転写異常が主因と思われる慢性肉芽腫症(CGD)患者におけるインターフェロン-γ(IFN-γ)著校機序を解明するために、CYBB遺伝子の+12から-115bpの領域もつ野生型(p-115/+12W)及び-53PU.1変異型レポーターを前単球細胞株U937に導入し一過性発現法にてIFN-γによる誘導を比較したところ、-53PU.1変異型レポーターにおいても野生型とほぼ同等の効率でプロモーター活性の誘導が認められ、かつその活性値は野生型の非誘導時の4倍以上、すなわち活性酸素による通常の生体防御に十分な量のCYBB産生が期待しえる活性が示された。この事実は+12から-115bpの領域に-53PU.1非依存性のIFN-γによるCYBB転写促進に関与するシスエレメントが存在するとを示唆するものである。そこで、P-115/+12Wのプロモーター領域を段階的欠失させることにより本誘導に関与する領域を解析したところ、遺伝子上流-100塩基にあるIFN-γactivation site(GAS)部位(-100GAS)がIFN-γによるCYBB遺伝子転写促進に極めて重要である事が明らかとなった。また、ゲルシフトアッセイにより、-100GASにIFN-γ処理によりIFN-γによる遺伝子転写誘導に重要な転写因子であるSTAT-1が結合することが明らかとなった。さらに、-100GASの下流側に隣接して存在するIntefferon-stimulated responseel ement(ISRE)部位(-881SRE)も本誘導に重要であり、そこにはIFN-γ処理によって新たに合成されたInterferon regulatolyfactor-1(IRP-1)が結合する事も明らかとなった。また、これら両シスエレメントが共存する時にのみIFN-γによるCYBB遺伝子転写が促進効果が認められた事から、STAT-1とIRF-1が協調してIFN-γによるCYBB遺伝子転写の活性化を行っていると考えられた。
|
Research Products
(1 results)