2001 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアの遺伝子変異と循環器疾患との病理学的研究
Project/Area Number |
13670234
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
自見 至郎 福岡大学, 医学部, 助手 (30226360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹林 茂夫 福岡大学, 医学部, 教授 (80078740)
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Keywords | ミトコンドリア遺伝子 / 遺伝子変異 / 循環器 / 動物実験 / 心臓 / 腎 |
Research Abstract |
ミトコンドリアは細胞内エネルギー産生機関とし働き、核の遺伝子とは独立したミトコンドリア遺伝子(mtDNA)を持ち、その遺伝的変異により様々な疾患が起こることが知られ始めている。その変異は加齢的変異または疾患特異的な変異とし研究されてきているものの、変異の増加または蓄積のメカニズムまたは変異部位の特異性などいまだ不明な点も多い。我々は慢性病の場となる循環器系臓器に着目し、動脈硬化症を含め心疾患や腎疾患の成因解明のため、ミトコンドリア遺伝子異常を解明することを本研究の目的とした。初年度(平成13年度)は、まず加齢によるミトコンドリア遺伝子変異を明らかにするため、様々の年齢の雌ウィスターラットから心筋、腎皮質、脳実質の組織を抽出し、加齢的mtDNA変異(del4834bp)を検索した。加齢によるミトコンドリア遺伝子変異の蓄積は何れの臓器でも40週令まではほとんど認められなかったものの、60週令を越えると何れの臓器でも加齢的遺伝子変異の蓄積が出現してきた。その程度は心筋と脳組織で多く、腎皮質では少なかった。さらに年齢が80週令を越えると、様々な遺伝子欠損を伴った変異が認められた。本年度の基礎研究は、加齢はミトコンドリア遺伝子欠損の背景になりうことが示された。しかし、その原因が酸化によるものか、抗酸化系や修復系の機能低下によるものかは分からない。次年度は高血圧、糖尿病、心筋梗塞などの病態下での検索を進め、その成因および加齢による遺伝子変異出現がどのように変化するかを解明していく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takebayashi S, Jimi S, Segawa M, Kiyoshi Y.: "Cadmium induces osteomalacia mediated by proximal tubular atrophy and disturbances of phosphate reabsorption. A study of 11 autopsies"Pathol Res Pract. 196・9. 653-663
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[Publications] Tada M, Jimi S, Hisano S, Sasatomi Y, Oshima K, Matsuoka H, Takebayashi S: "Histopathological evidence of poor prognosis in patients with vesicoureteral reflux"Pediatr Ne phrol. 16・6. 482-487
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[Publications] Aya Takaki, Shiro Jimi, Shigeo Takebayashi: "Chronic exposure to cadmium induces mitochondrial DNA deletions in rats"Keystone Symposia. (2002 発表予定).
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[Publications] Shiro Jimi, Aya Takaki, SHigeo Takebayashi: "Chronic cadmium intoxication induces oxidation and apoptosis in metallothionein depressed kidney proximal tubules in aged rats"Keystone Symposia. (2002 発表予定).