2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13670249
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
津田 良夫 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (20207393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江下 優樹 大分医科大学, 医学部, 助教授 (10082223)
高木 正洋 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (60024684)
沢辺 京子 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (10215923)
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Keywords | ネッタイシマカ / デング熱 / 都市化 / 遺伝的変異 |
Research Abstract |
インドネシア・スラバヤで採集したネッタイシマカを体色によって人為選抜し、Surabaya白系統とSurabaya黒系統を確立した。Surabaya白・黒系統成虫を用いて、デング熱ウイルス2型に対する感受性実験を行った。これまでのところ両系統の感受性には大きな違いは見られていない。実験結果をより明確にするため、今後さらに感染実験を繰り返す必要がある。 ベトナムから得られたネッタイシマカ集団からも人為選抜によってVetnam白、Vetnam黒系統が得られた。両系統の生理的性質に関して室内実験を行った。その結果、羽化したばかりの雌が体内に保持している糖の量に違いがあり、黒系統の保持量が白系統よりも多いことがわかった。この生理的な違いが行動習性にどのように関連しているのかを調査中である。 Surabaya白系統とSurabaya黒系統の成虫を用いて、実験個体群の生命表を作成し実験室条件における適応度の違いを調べた。羽化直後の幼虫の発育日数を調べたところ、黒系統の方がやや早かった。羽化した成虫に砂糖水だけを与えて飼育し生存期間を調べたところ、どちらも35日ほどで大きな違いはみられなかった。しかし、週2回の吸血機会を与えた場合、黒系統成虫の平均寿命は51日で、白系統の39.3日よりも長いことがわかった。黒系統の一雌が一生の間に残す雌卵の数は179.8卵で、白系統の1.45倍であった。これらの結果から実験室条件下における適応度は、白系統の方が黒系統よりも大きいと結論した。
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Research Products
(1 results)